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ヤン・マトゥラ: いつも自分を信じていた

作成: 07.02.2013 03:43 / cy

チェコのスキージャンプ選手ヤン・マトゥラがW杯デビューしたのは2002年。しかしW杯初勝利を祝ったのは今季の札幌大会で、デビューから11年が経過していた。そんな彼が、チェコ共和国のスキージャンプ事情について、土曜日朝ハラコフで話してくれた。

 

FISskijumping: 年長スキーヤーが、より多くの経験と長年のトレーニングを武器に多くの大会で優勝するのは、クロスカントリーではよく見られること。あなたのようなベテランジャンパーが若手選手を抑えて優勝することで、スキージャンプでも同じことが言えるということを証明した。32歳にしてW杯初優勝をとげられた理由は何だろうか?またこれまでの自分には何が足りなかったと思う?

 

ヤン・マトゥラ: ジュニア時代はすでに比較的うまいほうだったが、それ以降自分の思うようには伸びなかった。2001年まではノルディックコンバインドの選手をしていて、スキージャンプに転向後は浮き沈みを繰り返した。バシャ・バイツがコーチだった時は、少しは好成績を残したが、今シーズンのスーツの新ルールで体との密着の幅が2センチになったことが大きな助けになった。それが僕の成功の一要因で、それ以降は用具もうまくいった。

 

FISskijumping: 札幌での2戦どちらも、1本目ですでにトップに立った。2戦のうち難しかったのはどちら?W杯初勝利を目前とした1戦目か、それとも初勝利が偶然ではないことを証明できた2戦目か?

 

マトゥラ: 1戦目はあまり緊張しなかった。というのも自分のジャンプが好調であることはわかっていたし、プレッシャーもまったくなかった。誰も僕の優勝を期待していなかったから、優勝できなくても良かったしね。それに自分にとっては、トップ10入りならどんな順位でもいい結果だから。優勝できたという事実は素晴らしいことで、自分の長いキャリアでようやく達成できたことにハッピーだ。2戦目は自分にとっては、楽しもうと臨んだ試合だった。1戦目で優勝したからといって、自分の力を証明しようなどということには重きを置いていなかった。もういちどすべてがうまくいって、非常にハッピーだ。 

 

FISskijumping: W杯初優勝を遂げるまで、あなたは選手としての苦しい時期を過ごした。家族を養うだけのお金がなくて、両親の金銭的サポートをうけることでジャンプキャリアを続けられた。これまであきらめなかったそのモチベーションはどこから?

 

マトゥラ: 僕のキャリアはかなり長く、少なくとも1回表彰台に登るまでは辞めたくなかった。これまでは自分のベストリザルトは札幌での4位。それがいわば自分の原動力だった。だって自分は表彰台に必ず立てると信じていたから。

 

FISskijumping: ポーランドでは、ジャンパーは結婚すると飛距離が10m縮むと言われているが、あなたは第一子誕生後にそうなった。これは自分に当てはまると思う?

 

マトゥラ: そんなことは初めて聞いた。ポーランドでだってそれはあてはまらないと思うよ。カミル・シュトッホは結婚したけど今でもいいジャンプをしているし、ピオトル・ジーラだってもう子供がいる。だからそういうものだとは思わないね。

 

FISskijumping: カミル・シュトッホといえば、ポーランドチームは常にリーダーがいて、その役割をアダム・マリシュからシュトッホが受け継いだ形だ。チェコチームには、そういう役割の選手はいる?チームキャプテン的な選手はいる?

 

マトゥラ: 普段は前シーズンにチームトップだった選手がやるので、うちはローマン・コデルカとルカシュ・フラバだった。来年は誰がそうなるかはまだわからない。でもリーダーの役割はむしろ、他の選手たちが向上することに、より集中できるようにする動機付けをするものなんだ。

 

FISskijumping: あの2勝によって、自分がその役割を担ったと感じてる?

 

マトゥラ: もちろん今でも他の選手たちの動機付けができるよ。僕と同じ用具、同じ条件なんだから、好成績を出すことは可能だと考えている。みんな自分にもできるってことはわかってるよ。

 

FISskijumping:用具に関して、あなたとあなたのチームにとってうまく行ったとコメントした。スキージャンプはチェコ共和国では一番人気のスポーツではないし、トレーニングをするため、また質の高い用具を手にするには資金が必要だ。チェコではいいスポンサーを得るのは難しいことか?

 

マトゥラ: スキージャンプのほとんどのスポンサーは、国外からだ。我々のスキー連盟からのサポートはいいが、スキージャンパーが個人スポンサーを見つけるのはとても難しい。

 

FISskijumping: 今季開幕当初は、あなたは飛び抜けて良い成績ではなかったが、つねに調子を上げていった。ジャンプ週間前半が終わった直後から、成績が上がり始めた。

 

マトゥラ: すでに夏の時点で良い兆しはあった。アンダース・ヤコブセンとウォルフガング・ロイツルと一緒に飛んだときだ。でも今季開幕当初はがっかりな成績だった。なぜ彼らは今だにいいジャンプをしていて、なぜ僕はそうじゃないんだと自分に問いかけた。スキー板もジャンプスーツも完璧には自分たちに合っていないという問題があったんだが、ジャンプ週間中にそれを変えることができて、それ以後は結果がついてきた。

 

FISskijumping: ローマン・コーデルカは、しばらくリヒャルト・シャラートと、ヤクブ・ヤンダはバシャ・バイツと特別トレーニングを行った。あなたには個人コーチはいる?誰が助けてくれた?

 

マトゥラ: 自分はすでにかなり経験を積んだジャンパーなので、自分が何をトレーニングすべきかは大体わかっているし、自分のコーチたちといつもトレーニングについては話している。でも、特別な助けを求めたことは一度もない。いつもバシャ・バイツとはいつもうまくいっていたが、スキージャンプ博士的なリッチーを理解することはできなかったよ、彼は完璧ないい人だけどね。デビッド・ジローテックとは、僕のトレーニングについて相談をして、うまくいっているよ。

 

FISskijumping: リヒャルト・シャラートはよりオーストリア流アプローチだから、ローマン・コデルカにはそれがうまくいっても、あなたにはうまくいかなかったと思う?

 

マトゥラ: いいや、どのコーチもトレーニングについてはわずかだが違う意見を持っていて、スキージャンパーはそれぞれ自分に合った方法が違う。だからさっき僕が言ったように、僕にとってはバシャ・バイツのアプローチは自分により合っていて、リッチーのアプローチはローマンにより合っていたということだ。

 

FISskijumping: リヒャルト・シャラートがオーストリア流アプローチをチェコに残していったと思う?将来的に若いジャンパーが成功するためのトレーニングシステムのようなものを残したと?

 

マトゥラ: それは複雑なんだ。というのも、オーストリアにはチェコより多くのスキージャンパーがいる。チェコは才能ある若い選手も比較的に限られているので、その中でやっていかなくてはいけない。それが自然とW杯に参戦する選手5−6人を選ぶのをより難しくしている。特にオーストリアと比較すると、あちらにはジャンパーは5倍はいるからね。

 

FISskijumping: チェコは、ヤクブ・ヤンダ、ルカシュ・フバラ、ボレク・セドラック、そしてあなたと、選手の年齢が比較的に上がってきている。近い将来、若手選手がブレイクしてくる可能性はある?

 

マトゥラ: 才能ある選手は少ないが、時間の問題だ。スキージャンプは動的なスポーツで、選手のパフォーマンスは変化しやすい。だから彼らが思春期をどう乗り切るか、人生の各ステージにいかに対処していくかを見ていかなくてはならない。それを乗り越えて初めて、いいスキージャンパーへと進んでいけるんだ。

 

FISskijumping: あなたの札幌での好成績は、ハラコフでのフライングW杯のいい宣伝になった。あなたの最近の成功が、あなたの母国内でのスキージャンプに対する関心にどれくらい影響を与えていると思う?

 

マトゥラ: 僕はいつも母国での大会をとても楽しみにしている。チェコの国旗やファンをジャンプ台で見るのは大好きだ。あの2勝によって、より多くのファンがジャンプ台に来てくれるのならそれはとてもうれしいこと。昨日の予選にも、非常に多くの観衆があつまってくれたから、今日土曜日はもっとたくさん来てくれるかもしれないね。

 

FISskijumping: ハラコフとヴィカースンのスキーフライングについて、自分のジャンプ、コンディションを比較すると?

 

マトゥラ: ここハラコフのジャンプ台は、昨日は完璧に準備されていて、コンディションはとても良かった。今日は雪が降っていて、風がどうなっているかは様子見だが、二つのジャンプ台はまったく違っている。ただ比較するのは難しい。ヴィカースンはとても近代的で、ハラコフは何度か改修されているが比較的古いジャンプ台で、高く飛び出して200m、205m、ロングジャンプなら215mくらい最大で出るところだ。

 

FISskijumping: ヤカ・フヴァラは、新しいスーツでここで飛ぶのは少し不安だと言った。自分の感覚はどうだった?以前のスーツと比較して違いはある?

 

マトゥラ: 前に言ったように、自分にとっては新スーツは有利だ。自分は体重コントロールに苦しんでいたし、スーツがよりタイトになれば、体重の食い違いも少し解消されるので自分にとってはうまくいった。例えばローマン・コーデルカもスーツで少し苦しんでいるが、今はそれがルールだし、自分はそれでハッピーだ。

 

FISskijumping: ホームでの大会前のチームの雰囲気は?余分なプレッシャーがかかっている?

 

マトゥラ: ホームでの大会は我々全員にとって非常に重要だし、とてもやる気がでているから、みんな楽しみにしているよ。

 

FISskijumping: あなたはいつも笑顔を絶やさず、オープンでフレンドリーな性格のようだ。ともだちは主にチェコのジャンパー?それとも他の国の選手たちとも仲良くしている?

 

マトゥラ: もちろんたくさんの連中と友達だ。でも一番中がいいのはロベルト・クラニエツだね。夏の間、アンダース・ヤコブセン、ウォルフガング・ロイツルと一緒に多くの時間を過ごして、いいディスカッションもしたんだ。それからシモン・アマン。彼はとてもフレンドリーだよ。

 

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