01 | Hoerl, J. | 285.3 | ||
02 | Paschke, P. | 277.8 | ||
03 | Tschofenig, D. | 273.8 | ||
04 | Kraft, S. | 273.1 | ||
05 | Deschwanden, G. | 259.7 | ||
全リザルト » |
ソチ冬季オリンピックで、既にノーマルヒルの金メダルを取ったカミル・シュトッホ(ポーランド)が、ラージヒル戦でも再び金を獲得した。これによって、 シュトッホは、マッチ・ニッカネン(1988年)とシモン・アマン(2002年・2010年)に続き、オリンピックで両方の個人戦 金メダルを取った3人目のスキージャンパーとなった。
銀メダルの座も同じく歴史的なものとなった。41歳と254日で銀メダルを飾った葛西紀明は、五輪スキージャンプ史上、最年長のメダリストとなっ た。 ペーター・プレフツ(スロベニア)は銅メダルを獲得し、ノーマルヒルの銀メダルに続き2個目のメダルとなった。「今回も素晴らしい気分」とプレフツ。
またもメダルを逃したオーストリアとドイツ
ノーマルヒルでもメダルを逃したオーストリアは、今回も完敗を喫した。ドイツ・チームは、セヴェリン・フロインドが厳しい4位入賞となった。
メダル争いに直接はひびかなかったものの、風に乱された試合だった。何人かの有力候補は、風のせいでファーストラウンドにして、メダルの夢を失うことになった。
有力候補を打ちのめす風
乱れる風の中、トーマス・モルゲンシュテルン(オーストリア)、アンドレアス・ヴェリンガー(独)、ロベルト・クラニエツ(スロベニア)に勝ち目はなく、ファイナル進出を逃してしまった。
今回の試合で最初に活躍を見せたのは、グレゴア・デシュヴァンデン(スイス)で、1回目で134.5mと飛距離を伸ばした。ファイナルでは123.0mで 247.4ポイントとなり、最終的には14位だった。期待されていた同胞、シモン・アマンは彼に8.2ポイント差で23位に終わってしまった。1回目で 131.5mを出したアンシ・コイブランタ(フィンランド)も、しばしメダルの夢をみられたが、ファイナルでは緊張したのか121.5mで、それでも大健闘の11位だった。いよいよ上位ジャンパーに順番が回ってくるという時になって、乱れた風が訪れた。その中でトーマス・モルゲンシュテルン、ロベルト・クラニエツ、アンドレアス・ ヴェリンガーが続けて試合を脱落することになった。シモン・アマンはなんとかファイナル進出を果たした。
金メダルの夢を逃したシュリレンツァウアー
グレゴア・シュリレンツアゥアー(オーストリア)の時も、理想的な天候条件とはいかず1回目では14位だった。
「今日は難しかった。スキージャンプはどんどんマテリアルと風の戦いになってきている。このスタジアムは凄い施設。でも運も必要。僕の目標は金メダルだったけれど、今回は果たせなかった。でも葛西紀明を見たら、まだ僕にも何回かチャンスはあると思える」とW杯優勝記録保持者のシュリレンツァウアーは語った。
セヴェリン・フロインドの回から、いよいよ本格的なメダル争奪戦となった。フロインドが138.0mで1位についたが、その後、葛西紀明が更に1m飛距離を伸ばし、フロインドを飛び越えた。ペーター・プレフツは135.0mで二人のライバルに追いつかなかった。そして、カミル・シュトッホの登場!シュトッホは何でもなさそうに139.0mを出し、着地もほぼ完璧だった。シュトッホが首位に立ち、ファイナルラウンドへと続いた。
遠く飛んだヴァシリエフとクラウス
ファイナルラウンドに入って、ディミートリ・ヴァシリエフ(ロシア)がソチのルスキエ・ゴルキ・スタジアムを沸かせた。バッケンレコードとはならなかったが、 144.5mの飛距離を出した。そのすぐ後に飛んだマリヌス・クラウスはもっとうまくやった。ドイツの若手、クラウスの140.0mはバッケンレコードとなり、24位から6位に追い上げた。ヴァシリエフはロシア勢トップの26位となった。
アンダース・バルダル(ノルウェー)が16位、同じくノルウェーのアンダース・ファンネメルは264.3ポイントを出し、驚きの健闘で5位に着いた。日本勢は伊東大貴(252.5ポイント)が9位、清水礼留飛 (252.2ポイント)で10位に入った。「金メダルの使命」を帯びたグレゴア・シュリレンツァウアーだったが、255.2ポイントで、がっかりな7位に終わった。同オーストリアのミヒャエル・ハイボックが254.7で8位に入り、いよいよ大ファイナルへ続行となった。
喜びの葛西とプレフツ
2回目でペーター・プレフツは真剣勝負に出た。131.0mで274.8ポイントとなり、余裕で首位に立った。セヴェリン・フロインドは、2002年以来の個人戦メダルをドイツにもたらすことができそうに見えたが、129.5mでプレフツに2.6ポイント足りず痛恨の極みだった。
「自分のジャンプの後、カミルと紀明の素晴らしいショーを満喫した」とはプレフツの談。葛西紀明は、これまでの経験を最大限に生かし133.5mを出し、総合 277.4ポイントとなった。 41歳の葛西が、お約束通り駆け寄ったチームメイトに囲まれる中、カミル・シュトッホのジャンプでポーランドのコメンテーターは手に汗握っていた。シュトッホが出した飛距離は132.5mで、ポイント集計に追われていた。
シュトッホ「信じられない」
そして結果が出た。278.7ポイント。「金、金、金!」ポーランドのウィンタースポーツにとって歴史的な日となった。
「夢のようで信じられない。こんなこと信じられない!」と、カミル・シュトッホは興奮してインタビューに答えた。シュトッホはポーランド史上、冬季五輪で初めて2つの金を達成した男性選手となった。「2回目であんなに大きな失敗をしてしまったのに、なんでこれほど飛べたのが自分でも分からない。僕は攻撃的すぎてしまった。でも、だからこそ僕は勝てたんじゃないか!」
ノーマルヒルでは銅メダルを飾ったアンダース・バルダル(ノルウェー) は、「もちろん、1回目ではイライラした。でもこれがスキージャンプだからしょうがない。葛西紀明が銀メダルを取って僕も嬉しい。彼はこのメダルを取るべくして取った。団体戦を楽しみにしている。僕等は良いチームだ。どうなるか見てみよう」と話した。
ラージヒル団体戦は、2/17(月)18:30(日本時間、翌2:30)から予定されている。
早速、明日(2/16)の同時間には、団体戦の公式トレーニングが行われることになっている。
※注)基本的な表記時間は中央ヨーロッパ時間で、日本との時差は-8時間です。