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W杯ザコパネ大会:注目データ

作成: 16.01.2019 07:54 / sk

先週末(1月11〜13日)のワールドカッププレダッツォ大会(イタリア)は大成功に終わった。5年ぶりとなるヴァル・ディ・フィエンメ地方主催のワールドカップだったが、会場の準備も素晴らしく、2試合とも高いレベルでの競技が行なわれた。プレダッツォ大会の両試合はスポーツ史的観点からも注目を集めた。

まずは土曜に行なわれたプレダッツォ第1戦で優勝した小林陵侑が、スキージャンプ界の大物達の記録に並んだ。これまでヤンネ・アホネン、マッチ・ハウタマキ(共にフィンランド)、トーマス・モルゲンシュテルン、そしてグレゴア・シュリレンツァウアー(共にオーストリア)の4人しか果たしていない、ワールドカップ(W杯)6連勝という記録だったが、この勝利で小林陵侑もこの栄えあるリストに加わることになった。

 

そして、ポーランドのダヴィド・クバツキーが日曜の第2戦で優勝し、小林陵侑が果たせるかもしれなかった史上初のW杯7連勝を阻止した。

 

クバツキーにとって初のW杯優勝だったが、この勝利までに実に169試合もの長い道のりが必要だった。とにかくクバツキーが初勝利を収めるのは時間の問題だったし、これでポーランドチームはもうひとり優勝者を出したことになる。次の大会がポーランド・ザコパネで開催されることを考えると、完璧なタイミングだった。


ちなみに、第2戦では7位に終わり新記録を逃した小林陵侑だったが、がっかりした様子はうかがえなかった。小林は自分のジャンプを終えた後、すぐに勝者クバツキーにお祝いを言いに行き、トップ10入りを喜んでいた。まるでこの8週間のうちのW杯9勝なんて無かったような素振りだった。小林陵侑の自分への期待はなんとも謙虚なものだったようだ。敗北の際に大いなるチャンピョンの素地が見えるものだが、22歳の小林は本当に良いチャンピョンだ。


さて、ここからは次のザコパネ大会に関する注目データをまとめた。

 

小林陵侑は、プレダッツォ大会第1戦でW杯個人戦6連勝を果たし、第2戦では7位となった。
今シーズンに入ってから行なわれたW杯個人戦全13試合のうちで、小林は9回優勝している。
昨シーズン、最も多く優勝したのは9勝を収めたカミル・シュトッホ(ポーランド)だった。
最近で1シーズンのうちにW杯個人戦で9勝以上を収めたのは、2015/16シーズンに15勝を達成したペーター・プレウツ(スロベニア)である。

今季これまでのところ9勝の小林陵侑は、既に日本人として初めて1シーズンにW杯6勝以上を挙げたスキージャンパーとなっている。
W杯通算9勝以上を挙げたことがある日本人ジャンパーは、葛西紀明(17勝)、船木和喜(15勝)、原田雅彦(9勝)の3人だけだ。

小林陵侑は、今シーズンのW杯個人戦全13試合のうち11回表彰台入りを果たしている。2018年12月15日に行なわれたスイス・エンゲルベルク第1戦で7位だった時と、1月12日のプレダッツォ第2戦以外、全ての試合で「ROY」は表彰台に上がっていることになる。参考までに比べてみると、昨シーズン、カミル・シュトッホは13回表彰台入りしていた。

日本人で、ワールドカップ1シーズン中に表彰台入りを11回以上挙げているのは、船木和喜(1998/99、15回)と、葛西紀明(1998/99、14回)の二人だけだ。

ちなみに、1998/1999シーズンには3人の日本人がW杯個人総合トップ5に入った。当時、総合3位が葛西紀明、4位が船木和喜、5位が宮平秀治だった。1998/1999にW杯総合優勝は、ヤンネ・アホネンを抑えたマーティン・シュミット(ドイツ)だった。


今季初Vを狙うカミル・シュトッホ
カミル・シュトッホ(ポーランド)は現在W杯個人総合成績で2位につけてはいるが、今シーズンはまだ一度も優勝していない。
シュトッホのW杯通算勝数は、驚嘆すべき31勝となっている。

今度の大会はシュトッホの故郷、ザコパネで開催される。今シーズンの初優勝を飾るのに丁度良い機会だ。
シュトッホはこれまでにザコパネで4勝を挙げている。シュトッホ程の成績を出しているのは、アダム・マリッシュ(ポーランド)と、最多勝数記録の5勝を挙げているグレゴア・シュリレンツァウアー(オーストリア)だけだ。

 

上乗せしたいダヴィド・クバツキー
ダヴィド・クバツキーがもう1勝できれば、ポーランド人スキージャンパーとしてW杯2勝以上を飾る5人目の快挙となる。
これまでにW杯2勝以上を収めたポーランド人選手は、アダム・マリッシュ(39勝)、カミル・シュトッホ(31勝)、ピヨター・フィヤス(3勝)、マチェイ・コット(2勝)の4人だけだ。


クラフトも今季初優勝を待望

カミル・シュトッホと同様に、オーストリアのシュテファン・クラフトも今シーズンはまだ初優勝を飾っていない。

ザルツブルク出身のクラフトは、最近のW杯個人戦4試合のうちの3試合で表彰台に上がっている。
最近でクラフトが優勝したのは、2017年3月26日のスロベニア・プラニツァでのスキーフライング戦だった。
この2017年プラニツァでのクラフトの勝利以来、オーストリア人選手はW杯優勝を果たしていない。オーストリア勢は最近の35試合で優勝していないことになる。

2017/18シーズンが始まって以来、クラフトはW杯個人戦で12回表彰台入りを遂げているが、優勝はお預けとなっている。
昨シーズンが始まって以来、クラフト以外でW杯個人戦の表彰台に上がったオーストリア人選手は二人いる。2018年3月11日のオスロ戦で3位になったミヒャエル・ハイボックと、2018年12月15日のエンゲルベルク戦で3位になったダニエル・フーバーだ。


今シーズンのW杯個人戦で5回以上の表彰台入りを達成しているのは、小林陵侑(11回)の他は、ピオトル・ジーラ(5回)とカミル・シュトッホ(5回)の二人だけだ。
ピオトル・ジーラは、W杯通算で1勝を挙げている。その1勝は2013年3月17日のオスロ戦で達成された。

 

ノルウェー勢の中で、今シーズン勝利を挙げたのは唯一、ヨハン=アンドレ・フォアファングだけだ。

フォアファングは12月1日のW杯ニジニ・タギル戦(ロシア)で優勝した。

 

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