01 | Hoerl, J. | 285.3 | ||
02 | Paschke, P. | 277.8 | ||
03 | Tschofenig, D. | 273.8 | ||
04 | Kraft, S. | 273.1 | ||
05 | Deschwanden, G. | 259.7 | ||
全リザルト » |
FIS(国際スキー連盟)スキージャンプ女子のワールドカップシーズンが今週末、ノルウェーのリレハンメルでいよいよ開幕する。それを目前にして、女子ジャンプのFISレースディレクターである吉田千賀が今後の展望について話した。
Berkutschi(当サイト、ベルクッチ):今季のスキージャンプ女子ワールドカップ(W杯)で新しいことはありますか?
吉田千賀:今週末(12/1〜3)、ノルウェー、リレハンメルの開幕戦で初めて3試合が行なわれることになっています。初の試みであるこの「リレハンメル・トリプル(3連戦)」は、女子による女子のための素晴らしいスキージャンプイベントとなると期待しています。まず12月1日(金)と2日(土)にノーマルヒル戦が2試合開催されて、3日(日)にはW杯総合成績上位30人によってラージヒルでファイナル戦が行なわれます。女子ジャンプのハイライトとなると思います。
そして、シーズンファイナルはオーバーストドルフ(独)で開催されます。これも素晴らしい見どころとなるでしょう。今回、初めてドイツで2大会が開催される予定です。シーズン最終のオーバーストドルフ大会と12月のヒンターツァーテン大会です。
女子ジャンプへの興味は高まっていて、その数ある証拠の一つとして捉えて良いと思います。
Berkutschi:なぜこの新しい試みが取り入れられることになったのでしょうか?
吉田:それには様々な理由があります。一部は開催地からの新しい提案であるし、また我々や各国チームからの要望もあります。新しいことを取り入れる場合、この種目がスポーツとして、そしてメディアにとってより魅力的になることが大事です。例えばリレハンメルの3連戦、「リレハンメル・トリプル」で言えば、スロベニア・ポルトロスで行なわれたFISのスキージャンプ委員会の会議でかなり長い議論が交わされました。最終的には新しい形式にゴーサインが出されて、今週末にはその結果がどう出るか目の当たりにすることになります。私はとても楽しみにしています。
Berkutschi:女子ジャンプ全般における発展の仕方はどうですか?
吉田:ここ数年でレベルは着々と上がっています。参加者の数も増えて、戦いもどんどん熾烈になってきています。表彰台を狙って上位の女子選手が激しい戦いを繰り広げています。今もなお高梨沙羅が一番成功している選手と言えますが、彼女でさえ上位に入り、ましてや優勝するには全てを完璧に揃えなくてはなりません。2〜3年前まではまだそうではありませんでした。
Berkutschi:テレビの視聴率についてはどう見ていますか?
吉田:観戦者とテレビ局の興味はどんどん高まっています。良い傾向にはなっていますが、まだまだ目標には届いていません。女子ジャンプとしても、まだ行き着くところにたどり着いていません。女子ジャンプはまだ始まったばかりなので、既存の主流ウィンタースポーツと並んでメディアの中での地位を確保するのは当然とても難しいことです。それには時間もかかりますし、忍耐と持久力が必要です。女子のスキージャンプは男子と同じようにダイナミックなものだし、TVでの見栄えも男子の試合と同じように魅力的です。しかし、男子ジャンプのような長い歴史はまだ無いですし、突出したスーパースターもまだ出てきていません。我々はまだまだ精進していかなくてはですし、忍耐も必要ですが、数年のうちに女子ジャンパーの努力に値するテレビ視聴率を獲得できるようになると思っています。
Berkutschi:選手の発展とマーケティングの観点での改善のために、これからどんなことが必要でしょうか?
吉田:選手のレベルが上がれば試合のレベルも上がり、メディアの興味も高まる。メディアの中で女子ジャンプの存在感が高まれば、ジャンプをやってみたいと興味も持つ若い子達も増えるでしょう。興味を持った若い層が、各国の地元レベルでこのスポーツを何はともあれ試すことができなければ始まりません。特にこのスキージャンプという競技ではそれはもちろん簡単なことではありません。そしてその後に、選手達が上位を狙えるような更に本格的なトレーニングが受けられる条件が整うか、という問題もあります。女子ジャンプの発展は、そうした総合的なサイクルとして見ていかなくてはいけないと思います。
Berkutschi:今シーズンに行なわれる冬季オリンピックでは、女子ジャンプが五輪種目として採用されてから2度目の参加となります。韓国・平昌(ピョンチャン)の試合ではどんなことが期待できるでしょうか?
吉田:もちろん平昌オリンピックは女子ジャンプにとって大きな見せ場です。
ソチ五輪の信じられないぐらい素晴らしく、感動的だった場面がまだ記憶に新しく思い出されます。女子ジャンプの決戦はソチ五輪全体の中でもハイライトと言える素晴らしいものでした。
今回も女子ジャンプがオリンピックの一部として、また同じように素晴らしい場面を見せられるように期待しています。