01 | Tschofenig, D. | 274.8 | ||
02 | Hoerl, J. | 269.7 | ||
03 | Kraft, S. | 268.0 | ||
04 | Forfang, J. | 264.9 | ||
05 | Deschwanden, G. | 264.4 | ||
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2月25日(土)、ノルディックスキー世界選手権ラハティ大会(フィンランド)で、男子ノーマルヒル戦が行なわれ、シュテファン・クラフト(オーストリア)が手に汗握るファイナルラウンドの末、金メダルに輝いた。クラフトは99.5mと98mのジャンプで、計270.8ポイントとなり、ドイツの二人、アンドレアス・ヴェリンガー(96.5m/100m、268.7ポイント)とマルクス・アイゼンビッヒラー(95m/100.5m、263.6ポイント)を抑え勝利を決めた。ワールドカップ総合首位でヒルレコード保持者のカミル・シュトッホ(ポーランド)はわずか1.1点の差で4位となり、メダルを逃した。
2年前にファールン(スウェーデン)で行なわれた前回の世界選手権では、シュテファン・クラフトは銅メダルだった。当時の金は、昨秋引退したルネ・ヴェルタ(ノルウェー)、銀は前十字靭帯損傷のため現在療養中のセヴェリン・フロインド(独)だった。ワールドカップ(W杯)総合2位についているクラフトは、比較的古いプロフィールのため簡単には飛べないこのラハティのノーマルヒルで快挙を成し、この大会でオーストリアにとって最初のメダルを、しかも金メダルを獲得することができた。
「とにかくもの凄いことで、こんなこと夢にも思わなかった」とザルツブルク州出身のクラフト(23歳)は大喜びだった。今回の勝利でクラフトは、最近オーストリアチームから世界選手権ノーマルヒル戦王者になった2011年のトーマス・モルゲンシュテルンと、とりわけ1991年のヴァル・ディ・フィエンメ大会でノーマルヒル世界王者になり、現在彼のコーチでもあるハインツ・クッティンの軌跡をたどったことになる。
クッティンは、「あの時とは時代が違う」と、当時の自分の成績を謙遜し、愛弟子に賛辞をおくった。「クラフトがこの快挙を達成することができて嬉しい。ドイツの二人が100mのジャンプを見せてくれたこともあって、とても素晴らしいファイナルラウンドだった」と話した。
大健闘のアイゼンビッヒラー
公式練習では絶好調だったマルクス・アイゼンビッヒラーは、予選を飛ばなかったが、本戦第1ラウンドで6位となった。2回目のジャンプで彼が飛んだ時から決定戦の火蓋が切って落とされた。バイエルン出身のアイゼンビッヒラー(25歳)はどちらかと言えばフリーガータイプと見られているが、ファイナルラウンドで今日の最長飛距離である100.5mまで伸ばし、首位の座を奪った。その首位の座をアイゼンビッヒラーは、チームメイトのアンドレアス・ヴェリンガーが最後から二人目としてスタートし、丁度ヒルサイズにピッタリの100mのジャンプを決めた時まで保持した。これで前半4.3点差で首位についていたクラフトに挑戦状がたたきつけられた。
クラフトは、「大きなスクリーンにヴェリンガーのジャンプが映し出されるのを見た」と、全5人のジュリーから飛型点19点を受けた98mのジャンプで世界王者になった後、話した。2本目のジャンプでクラフトは、最近のW杯7試合連続で表彰台入りを果しているヴェリンガーに2.1点の差をつけた。
ヴェリンガーは2回目のジャンプについて、「自分のやるべきことに集中した」と話した。
今シーズンのリレハンメル第2戦で3位になり、初めてW杯表彰台入りを果たしたアイゼンビッヒラーは、「2本目のジャンプを上手く決めたかったから、とにかく自分のできる限りのことをやった」と語った。「自分の人生の中で2番目の表彰台入りをここ世界選手権の地で遂げられたというのは、とにかく凄いこと」と喜び、「本当に圧倒されている。メダルに届くなんて思ってもいなかった」と話した。
4人のオーストリア人コーチがトップ10入り
ドイツのヘッドコーチ、ヴェルナー・シュスターは、「選手たちは素晴らしい試合にしてくれた」と語る。ドイツからはリヒャルト・フライタークも9位に入り、3選手がトップ10入りした。4番手のシュテファン・ライエも13位で上々の成績だった。シュスターは、選手がトップ10入りを果たしたオーストリア出身のコーチのうちの一人だ。
シュスターの他には、自身も元世界王者であるオーストリアチームのハインツ・クッティンがいる。彼のチームからは、金のクラフト以外でも、ミヒャエル・ハイボックが1回目の3位から6位に順位を落としたものの、二人目のトップ10入りとなった。
ポーランドチームのコーチ、シュテファン・ホルンガッハーもオーストリア出身で、メダルには届かなかったが、W杯総合リーダーを擁する。今季のジャンプ週間覇者であり、W杯首位のカミル・シュトッホは、1本目が96.5mと思うように伸びず、2本目で99mを出したもののメダルには届かなかった。
「はっきり言って、自分にとって一番良い試合では無かった」と競技後に少しがっかりした様子でシュトッホはインタビューに答えた。「それでも、とても高いレベルの試合がフェアな条件でできたし、雰囲気も素晴らしかった。良い成績を収めるのは難しかった」と話した。
ポーランドチームの2番手となったマチェイ・コットは5位だった。「良い成績を出せたけれど、本当はメダルを狙っていた」とはコットの談だ。
「コーチランキング」の4位は、やはりオーストリア出身でノルウェーチームのコーチであるアレックス・シュトックルだった。彼のチームの中でトップだったのは7位のヨハン=アンドレ・フォアファングだった。
11位に終わったペーター・プレウツ
昨シーズンの覇者、ペーター・プレウツ(スロベニア)は、2013年の世界選手権の銅メダリストでもあり、ここ数試合で復調の兆しを見せていたものの、今回は11位にとどまった。札幌大会第1戦で今季初優勝を果たしたペーター・プレウツは、それでもスロベニアチームのトップだった。彼の末弟、ドーメンは現在W杯総合4位についているが、今回は34位でファイナルラウンド進出を逃した。
世界選手権で既にメダルを取ったことがあるビッグネーム3名は、今回は順位を上げることができなかった。オリンピック金メダル4冠のシモン・アマン(スイス)は、世界選手権でも銀(2007年)と銅(2009年)を獲得しているが、今回は21位だった。予想以上の健闘で全4人が本戦進出を決めたスイスチームだが、その中でアマンは意外にも2番手だった。キリアン・パイアーが18位で、サマーグランプリで見せた好成績を再び見せた。
W杯歴代最多勝利記録を保持するグレゴア・シュリレンツァウアー(オーストリア)は24位だった。2009年と2013年の世界選手権で銀メダルを取ったシュリレンツァウアーは、それでも膝への負傷後、復調の兆しを見せている。
最後にヤンネ・アホネン(フィンランド)にも言及したい。2005年の世界選手権で銅を取った、現在39歳のアホネンは今回25位で、13歳年下の同僚、ヴィレ・ラリントを抑えて、フィンランドチームのトップだった。
※注)競技日程は現地時間です。