01 | Hoerl, J. | 285.3 | ||
02 | Paschke, P. | 277.8 | ||
03 | Tschofenig, D. | 273.8 | ||
04 | Kraft, S. | 273.1 | ||
05 | Deschwanden, G. | 259.7 | ||
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ドイツ・オーバーストドルフで先週末(2/1〜3)に行なわれたスキーフライング大会は、今シーズンのハイライトの一つだったと言っても過言ではないはずだ。3万人を超える観客は、オーバーストドルフのハイニ=クロップファー・フライングヒルで、初日(金曜)にスロベニアのティミ・ザイツがワールドカップ初優勝を飾り、土曜には小林陵侑が返り咲き、最終日にはポーランドのカミル・シュトッホが今季初優勝を果たすという盛り沢山の大会を楽しんだ。それに加え、土曜の試合では開催国ドイツのマルクス・アイゼンビッヒラーが解き放たれた飛翔を見せて、自己初のワールドカップ初優勝に0.5点差までに迫り、チェコのトーマス・ヴァンキュラは、怪我こそしなかったものの衝撃的な大転倒で周囲を驚かせた。
強豪ポーランド
ポーランドチームは、特に日曜に行なわれたオーバーストドルフの第3戦で、ものすごい強さを見せた。勝者となったカミル・シュトッホと3位のダヴィド・クバツキーが表彰台に上がり、ピオトル・ジーラとヤクブ・ヴォルニが4位と6位に入った。集中トレーニングを終えたマチェイ・コットも今度のラハティ戦でポーランドチームに戻ってくる。ポーランドのヘッドコーチ、シュテファン・ホルンガッハーは引く手あまたの人気だが、ラハティ団体戦のチーム編成についても嬉しい悲鳴をあげているだろう。
ドイツ:タイトル防衛なるか
しかし、団体戦の優勝候補は、少なくともデータ上ではドイツと見られている。ドイツチームは、前回(2018年3月)のラハティ戦で優勝しておりタイトル防衛をかけて参戦することになる上、最近行なわれた団体戦となる1月のザコパネ戦でも優勝した。今季限りの退任を表明しているドイツのヘッドコーチ、ヴェルナー・シュスターにとって、かなり良い見通しとなっている。
今季はうまくいかないノルウェーチーム
アレクサンダー・シュトックル率いるノルウェーチームにとっては、今シーズンに入ってからの団体戦2試合は壊滅的な成績だった。数週間前にノルウェーの「チーム・オブ・イヤー」に選ばれたことを考えると、シーズン開幕となったヴィスワ戦で10位、ザコパネ戦では8位という結果は信じられないことだ。この2試合では、それぞれ一人ずつ(ヴィスワでヨハンソンが、ザコパネでフォアファング)が失格となったのも、この不成績の要因だった。特にオリンピック団体戦で金メダルに輝き、勝つことに慣れているノルウェーチームにとっては苦い結果だった。例えば、ノルウェーは最近フィンランドで開催された団体戦4試合のうち、3試合(ラハティ、クオピオ、ルカ)で優勝している程のチームなのだ。
復調しつつあるオーストリア
シュテファン・クラフトの活躍によって、オーストリアのジャンパー達も少しずつだが確実に上位に戻ってきている。オーストリア・ゼーフェルトでのノルディックスキー世界選手権を前に、クラフトの他にもミヒャエル・ハイボックとダニエル・フーバーが調子を上げてきている。
オーストリアは2017年3月オスロ戦以来、団体戦で優勝していない。その後に団体戦12試合が行なわれているが、全て他の国が勝っている。しかし今季すでに行なわれた団体戦2試合では、ヘッドコーチのアンディ・フェルダー率いるオーストリアはかなり優勝に近づいている(ヴィスワ戦で3位、ザコパネ戦で2位)。
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2月10日(日)のラハティ個人戦
クラフト:見通し良好
もしシュテファン・クラフトがラハティで優勝できれば、自己初のラージヒル戦4連勝を挙げることになる。
クラフトは、ザコパネ戦と札幌の2戦で3連勝を遂げ、既に2017年の2月から3月に果たした自己最高の3連勝記録に並んだ。
最近でオーストリアの選手が4連勝を挙げたのは、2010年12月のトーマス・モルゲンシュテルンだった。
小林陵侑
2月2日(土)のオーバーストドルフ第2戦で小林陵侑が優勝に返り咲いた様子は本当に印象的だった。もちろん、連勝が途切れた後も、小林が姿を隠したわけではなかったが、その前の連勝がすごくて小林が勝つことに慣れてしまっていた感があった。今はまた22歳の小林陵侑がラハティでも上を狙ってくると見て良いだろう。
小林陵侑は、今シーズン既に行なわれた全19試合のうち、10試合で優勝している。
最後にこれより多くの勝数を1シーズン内に挙げたのは、2015/2016シーズンのペーター・プレウツ(スロベニア)だった。プレウツの15勝という記録は、1シーズンの勝数としては最高記録となっている。
小林陵侑のワールドカップ(W杯)通算10勝(全て今季中)という成績は既に日本記録となっている。
現在の小林陵侑より多くW杯で勝利を挙げたことがあるのは、船木和喜(通算15勝)、と葛西紀明(通算17勝)の二人しかいない。
もし小林陵侑がもう1勝できれば、23歳の誕生日以前にW杯10勝以上を挙げる三人目のスキージャンパーとなる。
これまでにそれを達成したのは、オーストリアのグレゴア・シュリレンツァウアー(13勝、2008-2009)とドイツのマーティン・シュミット(11勝、1999-2000)の二人だ。
日本のスキージャンパーが最後にラハティ戦で優勝したのは、2012年3月に伊東大貴が優勝した時だ。
これまでに日本人男子ジャンパーがW杯総合優勝を果たしたことはない。
カミル・シュトッホ
ポーランドのカミル・シュトッホは、2月3日(日)のオーバーストドルフ第3戦で今シーズン初優勝を遂げた。
カミル・シュトッホにとってラハティは、2度(2014年と2018年)優勝したことのある相性の良い土地となっている。
ラハティでシュトッホより多く優勝しているのは、ポーランドのアダム・マリッシュ(3勝)、オーストリアのアンドレアス・フェルダー(4勝)、そして週初めに残念ながら訃報が届いたフィンランドの伝説的ジャンパー、マッチ・ニッカネン(8勝)の三人しかいない。