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W男子トロンハイム個人戦 シュトッホが連勝

作成: 15.03.2018 19:50 / sk

ポーランドのカミル・シュトッホが引き続き圧倒的な強さだ。3月15日(木)夜に開催された、ワールドカップ男子トロンハイム大会(ノルウェー)の個人戦は息を呑む試合となり、シュトッホはワールドカップ(W杯)通算29勝目、今季W杯7勝目を挙げた。これでシュトッホはノルウェートーナメントRAW AIRのリードを更に広げた。今日の2位はオーストリアのシュテファン・クラフト、3位はノルウェーのロバート・ヨハンソンだった。ドイツ勢のトップは5位のリヒャルト・フライタークだった。

トロンハイムのジャンプ競技場に集まった1万5千人を超える観客は、15日(木)の晩、壮大なショウを目の当たりにした。そもそもRAW AIRシリーズは過酷だが、その中でも極限ギリギリのスキージャンプとも言えた。
既にトライアルラウンドの時点で、ドイツのマルクス・アイゼンビッヒラーが148.5mを飛んで目を引いた(この時のヒルレコードはまだ143mだった)。アイゼンビッヒラーのジャンプの後でトライアルは中止となった。ジュリーは強い向かい風の時に、これ以上ゲートを下げられないという問題に突き当たった。ゲート1から飛んだアイゼンビッヒラーのジャンプの後、その後に続く上位の選手、特にカミル・シュトッホの助走路をこれ以上短くする術がなかった。危険過ぎると判断され、中止となった。

試合の時には、風は予報通り、そして望み通り、少し収まってきていた。しかし向かい風は続き、上位の選手たちは飛距離をかなり伸ばした。そしてまたもカミル・シュトッホが格段の強さを示し、146mのジャンプを収めて新ヒルレコードを樹立した。五輪金メダル3冠のシュトッホは、2本目は141mで、2位のシュテファン・クラフト(オーストリア)に17点の差をつけて圧倒的勝利を決めた。

シュトッホは、「RAW AIR総合で首位につけているし、今は本当に高レベルのジャンプを飛べているから、素晴らしい気分。今日は2本とも140mを超えるジャンプですごかった。空中でまさに満喫していた。次のヴィケルスン大会の3日間はとにかく楽しめるようにしたい。自分の全てを尽くして、その結果がどうでるかを見るだけ」と話した。

シュテファン・クラフトは、シーズン終盤に来て着々と調子を上げ続けている。今日は今季の自己ベストに並ぶ2位入賞を果たした。
クラフトは、「今日の2位入賞は僕にとって大きな意味がある。今カミル・シュトッホに続く2位になるには、優勝に匹敵するようなもので、気分としてもそういう感じがする。特に今日の2本目は本当にうまくいった」と喜びを伝えた。

ロバート・ヨハンソン(ノルウェー)は今日の3位で、世界的エリートに堂々の仲間入りしたと認められたことだろう。金髪の口ひげがトレードマークのヨハンソンは、平昌冬季オリンピックで銅メダル2冠を飾った後、これで既に2試合連続の表彰台入りとなった。
ヨハンソンは、「ここのジャンプ台は本当に素晴らしい。天候条件はちょっとおかしくて、もっと下のゲートが必要なぐらいだった。ファーストラウンドは僕達にとってものすごく面白い展開で、お客さんも楽しめたと嬉しい。145.5mを飛んでテレマークで着地できるなんてものすごく嬉しい。RAW AIRシリーズは肉体的にも精神的にも挑戦だけど、僕はまだ大丈夫」と説明した。

木曜のトロンハイム戦では、ドイツ勢も納得の出来を見せた。リヒャルト・フライタークが5位、カール・ガイガーが7位、マルクス・アイゼンビッヒラーが10位で、3人がトップ10入りを果たした。

スロベニアのペーター・プレウツも、プラニツァでのシーズンファイナルを前に調子を戻してきているようで、8位に入り、再び上位入賞を果たした。

日本の小林陵侑が13位、ノルウェーの若手ハルヴォア=エグナー・グラネルドは14位で健闘した。
ブルガリアのヴラディミール・ゾグラフスキー(21位)とアメリカのケヴィン・ビックナー(26位)も好成績を収めた。

それに対し、今日満足の結果を出せなかったのはダニエル=アンドレ・タンデ(ノルウェー)とアンドレアス・ヴェリンガー(独)で、それぞれ15位と22位に終わった。

シュトッホ、全ての成績で単独トップ

RAW AIRは次に続くヴィケルスン大会の3日を残すばかりとなったが、総合成績ではカミル・シュトッホが1,582.3ポイントで、2位・3位に続くノルウェーのロバート・ヨハンソン(1,494.7ポイント)とアンドレアス・スティエルネン(1,470.2ポイント)に差をつけて首位についている。

W杯個人総合でも、シュトッホは1,203ポイントで堂々の首位についている。総合2位はリヒャルト・フライターク(958ポイント)、3位はダニエル=アンドレ・タンデ(865ポイント)となっている。

RAW AIRは、ヴィケルスンのフライングヒルに舞台を移し、早くも16日(金)14:30(日本時間22:30)からは公式トレーニング、17:30(日本時間 翌1:30)からは予選が行なわれる予定だ。

ジャンパー達は15日夜、試合後にトロンハイムからオスロへチャーター機で移動し、そこから更にバスでドランメンのホテルへと向かう。

 

全リザルト(PDF)

RAW AIR トーナメント(PDF)

 

※注)基本的な表記時間は中央ヨーロッパ時間で、日本からの時差はマイナス8時間です。

 

ギャラリー

統計

最長不倒
146.0m
Stoch, Kamil (POL)
最短ジャンプ
106.5m
Siegel, David (GER)
平均飛距離
127.6m
K点越えジャンプ
80.0%
ネーション数
15
トップ10のネーション数
5
トップ30のベストネーション
6
Deutschland
Polen
Norwegen
Stoch, Kamil
13.03.18
Lillehammer
Polen
13.03.18
Stoch, Kamil (POL) Lillehammer