01 | Hoerl, J. | 285.3 | ||
02 | Paschke, P. | 277.8 | ||
03 | Tschofenig, D. | 273.8 | ||
04 | Kraft, S. | 273.1 | ||
05 | Deschwanden, G. | 259.7 | ||
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1月22日(日)、ワールドカップ(W杯)男子ザコパネ大会の個人戦が行われ、地元ポーランドのカミル・シュトッホがファイナルで鮮やかな追い上げをかけ優勝した。1本目ではまだ6位だったシュトッホが、ファイナルラウンドで圧倒的なジャンプを決めて、4万人もの大観衆を前に僅差で勝利を手にした。シュトッホは130.5mと131mのジャンプで、計287.4ポイントだった。2〜4位には、アンドレアス・ヴェリンガー、リヒャルト・フライターク、マルクス・アイゼンビッヒラーのドイツ勢3人が続いた。シュトッホはW杯通算20勝目、今季5勝目、そして4試合連続優勝を挙げたことになる。
リヒャルト・フライタークのジャンプの後、地元のシュトッホが優勝したと決定した瞬間は、ザコパネのジャンプ台は興奮に包まれた。ポーランドのアンジェイ・ドゥダ大統領も含めた4万人の観衆がシュトッホの勝利に沸いた。シュトッホは、「めったに見ないような夢みたいで、まだ全然信じられない」と、自国のファンの目前で優勝を決めて、感動した様子で話した。シュトッホは沢山のインタビューを受けつつも、言葉がみつからないようだった。
ソチ五輪金メダル2冠のシュトッホは、試合の後に「今日ここで成し得たことに、もちろん満足している。特に2本目のジャンプは本当にうまくいった。見ている人には分からなかったかもしれないけれど、風がかなりコロコロ変わって難しい条件だった。それにも関わらず今日の試合のレベルはもの凄く高かった。ファーストラウンドが終わった時点で表彰台入りはほとんど諦めたも同然だった。あとは自分のジャンプに集中しただけ。今日ここのジャンプ台に集まってくれた全ての観客、そしてうちでテレビ観戦してくれていた皆にお礼を言いたい。本当に素晴らしかった」と語った。
1本目で上位につけたマルクス・アイゼンビッヒラー、ダニエル=アンドレ・タンデ(ノルウェー)、ミヒャエル・ハイボック(オーストリア)、アンドレアス・ヴェリンガー、そして1本目で首位だったリヒャルト・フライタークがファイナルラウンドのとりを務めたが、シュトッホが出した131mのファイナルジャンプにはかなわなかった。
それでもドイツチームは、シュトッホと並んでザコパネ大会の大きな勝者として認められるだろう。ヴェルナー・シュスターが率いるドイツチームは、21日(土)に行われた団体戦で優勝を収め、日曜の個人戦でもその強さを証明した。アンドレアス・ヴェリンガーが2位、リヒャルト・フライタークが3位、マルクス・アイゼンビッヒラーが4位と続き、更に11位にカール・ガイガー、16位にシュテファン・ライエが入り、圧倒的なチーム成績となった。次に続くドイツの2大会(ヴィリンゲン大会とオーバストドルフでのスキーフライング大会)を控え、ドイツのファンにとっては絶好のタイミングで調子を合わせてきた。
前大会、ヴィスワ戦で3位だったアンドレアス・ヴェリンガーは、今回の試合で2位となり、ポーランドの1週間で既に2度目の表彰台を挙げたことになる。「ものすごく良い試合だった。ここの観客は信じられないぐらい素晴らしくて、どのスキージャンパーも地元で飛んでいるような気持ちにさせてくれる。授賞式で4万人の観客が国家を斉唱した時は、想像を絶する瞬間だった。僕はこれからも一歩ずつ頑張っていくつもりでいるから、カミルを打ち負かすことも叶うかもしれない」と、話した。
2015年1月以降、表彰台入りを果たせないでいたリヒャルト・フライタークは、今日の2位入賞でスランプを乗り越えることができた。「天候条件について言えば、ザコパネ戦としては久々に良くて、素晴らしかった。お客さんは本当にフェアな態度で、全ての選手を応援してくれた。こんなにも多くの観客を前にしてジャンプができるのは特別なこと。僕の目標はラハティでの世界選手権で、そこの団体戦と個人戦でメダルを取りたい。今週末の大会では、それに向けて良い方向への一歩を踏み出せたと思う」と話した。
カール・ガイガーも「ここザコパネのこの雰囲気は本当にすごい。僕の番が来た時も、ポーランド人選手の時と同じように応援してくれた。他ではこんなことあり得ない」と、ザコパネ・ジャンプ競技場のムードに感動した様子だった。
ダニエル=アンドレ・タンデは、1本目の4位からファイナルでは7位まで順位を落としてしまった。「2本目のジャンプでは攻撃的になりすぎてしまった。これは自分のミス。スキージャンプではありがちなこと」とタンデは、ファイナルラウンドの後に自己批判的に話し、「でも今度は僕がとても得意としているヴィリンゲン大会が来る。そこではまた攻勢に出ようと思う」と、来週末にヘッセン州で予定されている大会への意気込みを見せた。
ミヒャエル・ハイボックは5位に入り、オーストリア勢で唯一、納得できる成績を出した。マヌエル・フェットナーは17位で、何とかこれまでの好成績をつなげることができた。マルクス・シフナーが28位、アンドレアス・コフラーは29位だった。グレゴア・シュリレンツァウアーは33位で、ファイナルに進める30位までに届かなかった。
シュリレンツァウアー以外にも、ヨハン=アンドレ・フォアファング(ノルウェー)、シモン・アマン(スイス)、ヤンネ・アホネン(フィンランド)、ユーリ・テペシュ(スロベニア)等の名選手がファイナル進出を逃した。
ポーランドは、カミル・シュトッホの優勝に加え、ピオトル・ジーラが6位、ダヴィド・クバツキーが8位に入り、優秀なチーム成績となった。
W杯個人総合成績では、今日の試合でカミル・シュトッホが計933ポイントとなりリードを広げた。2位はダニエル=アンドレ・タンデ(803ポイント)、3位はドーメン・プレウツ(780ポイント)となっている。
次のワールドカップ男子の試合は、来週末(1月28・29日)にドイツのヴィリンゲンで行われる予定だ。またも団体戦が大会プログラムに入っており、再びドイツチーム対ポーランドチームの熱い戦いにファンの注目が集まることだろう。
※注)競技日程は現地時間です。