01 | Deutschland | 978.8 | ||
02 | Norwegen | 975.2 | ||
03 | Österreich | 959.3 | ||
04 | Japan | 938.0 | ||
05 | Slowenien | 836.2 | ||
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12月10日(日)、ワールドカップ男子ティティゼー=ノイシュタット大会(独)で個人戦が行なわれた。結果は、リヒャルト・フライタークが優勝、アンドレアス・ヴェリンガー(共に独)が2位、3位にダニエル=アンドレ・タンデ(ノルウェー)、という一見お決まりの結果で、順調な試合だったかのようだが、実際には全く違った。ドイツの黒い森地方で開催されたFIS(国際スキー連盟)ワールドカップの2日目は終日に渡り、全ての関係者にとって大きな挑戦となった。試合後にヴェリンガーは「今日、この地で試合をどうにか可能にしてくれた全ての関係者、そして協力してくれた方々に深く感謝したい」と強調した。
暴風警報から始まった一日
今回のワールドカップ(W杯)開催地、ノイシュタットの日曜は暴風警報で幕を開けた。しかし、最初の難関は、恐れていた風ではなく大雪がもたらした。ジャンプ台の滑走ゾーンに大量の雪が積もり、まずはそれをどかさなくてはならなかった。一致協力の作業でこの難関は突破されたものの、時間通りにはいかず、ジュリーはトライアルラウンドを中止とし、すぐに競技を開始することに決めた。
しかし、そのうちにジャンプ台付近で激しい風が吹き荒れてきて、予定されていた15:30(日本時間23:30)に試合は開始できなかった。
ジュリーは、「風が強すぎ、選手の安全が保証できない。まだ試合はできない」と判断し、まずは20分延期して15:50に試合開始時間を再設定し、その後更に16:30に延期された。16:30の時点で改善の兆しが無かったため、ジュリーはあらゆる天候情報を確認後、最終トライとして試合開始を17:00に延長することにした。
試合開催に奮闘したジュリー
最終的には、試合開始延長というこの決断とジュリーの忍耐が最上の策となった。冷たい雨の降りしきる中もホーホフィアスト・ジャンプ台に残った観客は、1ラウンドだけしかできなかったもののスリリングな試合を目の当たりにし、最後はふさわしい勝者を表彰台上に見ることになった。
最終的に17:00に開始された個人戦は、時々風待ちのブレイクが挟まれたものの、公平で良い試合となった。
ダントツのリヒャルト・フライターク
今回も突出したパフォーマンスを見せたのは、現在W杯個人総合で首位についているリヒャルト・フライターク(独)だった。フライタークは、この記憶に残るスキージャンプの一日を145m(128.4ポイント)の最長ジャンプで鮮やかに締めくくった。
リヒャルト・フライタークは、「ジャンプ台に到着した当初は雪が沢山積もっているのが見えて、競技ができるとは正直思えなかった。でも大会主催者の目覚ましい働きで整備されていくのが見えて、最終的には風の状況も良くなっていった。おかげで素晴らしい試合になった。この試合を可能にしてくださった全ての人に感謝したい」と話した。
ヴェリンガーはおふざけ、タンデはサッカー観戦
アンドレアス・ヴェリンガー(独)は139.5mのジャンプを決めて、フライタークにわずか1.6点差で2位についた。これでまた、先週のニジニ・タギル大会でのワンツーフィニッシュに続き、またしても1・2位独占で、ドイツにとって夢のような展開となった。
アンドレアス・ヴェリンガーは、「今日の長い待ち時間では、とにかくリラックス状態を保つことが課題だった。僕達はふざけ合って暇つぶししていたから、時間もすごくはやく過ぎた。僕らは夏の間に頑張ってトレーニングに励んでいた。チーム内の団結は固く、それぞれがお互いを高め合っている」と説明した。
3位には、またも好ジャンプを見せたノルウェーのダニエル=アンドレ・タンデが入った。タンデは135.5mのジャンプで122.5ポイントをマークした。
タンデは、「待ち時間はサッカー観戦をしていた。エヴァートン対リヴァプール戦で、退屈なんてしてられなかった。今日は難しい天気になるだろうと思っていたけど、それについてあまり心配はしていなかった。スキージャンプは屋外スポーツだから、100%フェアなコンディションで行なわれることなんて無い。今日はジュリーの素晴らしい働きのおかげで良い試合ができた」と話した。
今シーズンの開幕戦、ヴィスワ大会の勝者である小林潤志郎は4位で日本勢のトップだった。
ノルウェーはタンデの他にも、ロバート・ヨハンソンが5位、ヨハン=アンドレ・フォアファングが7位に入り、優秀なチーム成績を収めた。
ポーランドチームは、6位のカミル・シュトッホがトップ、ダヴィド・クバツキーが11位、シュテファン・フーラが13位で好調だったものの、またも最上位には食い込んでこなかった。
今日のサプライズ、コンスタンティン・シュミット
ドイツのヘッドコーチ、ヴェルナー・シュスターが、最近振るわなかったダヴィット・シーゲルの代わりに選抜したオーバーストドルフ出身の18歳、コンスタンティン・シュミットは、今日一番のサプライズだった。今日の競技で1番に飛ばせてもらうというチャンスを見事に活かして、シュミットは8位に入賞し、来週末のエンゲルベルク戦(スイス)への切符も確実となっただろう。
葛西紀明、W杯ポイント獲得
日本のベテラン、葛西紀明もやっと今季最初のW杯ポイントを獲得することができた。45歳の葛西は上々の10位に入り、チームニッポンに好成績をもたらした。
個人総合では、首位は引き続きリヒャルト・フライターク(390ポイント)、アンドレアス・ヴェリンガー(319ポイント)が2位、ダニエル=アンドレ・タンデ(280ポイント)が3位についている。
来週末(12/15〜17)のワールドカップ男子エンゲルベルク大会(スイス)では、個人戦2試合が行なわれる予定だ。
※注)基本的な表記時間は中央ヨーロッパ時間で、日本からの時差はマイナス8時間です。