01 | Tschofenig, D. | 274.8 | ||
02 | Hoerl, J. | 269.7 | ||
03 | Kraft, S. | 268.0 | ||
04 | Forfang, J. | 264.9 | ||
05 | Deschwanden, G. | 264.4 | ||
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ノルディックスキー世界選手権ラハティ大会(フィンランド)で、2月26日、スキージャンプ混合団体ノーマルヒル戦が行なわれ、前大会で金のドイツチームが、女子世界王者のカリーナ・フォクト、男子個人NH戦銅のマルクス・アイゼンビッヒラー、スヴェニャ・ヴュルト、個人NH銀のアンドレアス・ヴェリンガーの4人で臨み、合計1,035.5ポイントを獲得して、今回も金メダルを獲った。オーストリアは、ダニエラ・イラシュコ=シュトルツ、ミヒャエル・ハイボック、ジャックリーン・ザイフリーツベルガー、男子個人NH戦王者となったシュテファン・クラフトのチーム編成で、1位に36.2点差で銀メダルとなった。銅メダルは、979.9ポイントの日本(高梨沙羅、竹内択、伊藤有希、伊東大貴)が獲得した。2年前の世界選手権ファールン大会では銀だったノルウェーは5位に終わった。
雪が降る中、第1ラウンドが終わった時点で、既にドイツが勝利する兆しが見えていた。女子チームコーチのアンドレアス・バウアーと、男子チームコーチのヴェルナー・シュスターが率いるドイツ混合チームは、その時点でオーストリアに早くも17.9差、日本には26.4点差をつけていた。スロベニア(4位)とノルウェー(5位)も含め、前半戦で上位5位が決まっていたと言える。もうファイナルラウンドでは順位の入れ替えは無かった。
メダル獲得の混合団体にはいつもフォクト
ジャンプ混合団体戦が世界選手権の枠内で行なわれたのはこれで3度目だが、ドイツは既に3個目のメダルを獲得した。2013年のヴァル・ディ・フィエンメ大会(伊)の銅、2015年のファールン大会(スウェーデン)で金に輝いたドイツチームは、そのタイトルを今回のフィンランド大会で防衛することができた。この3つのメダル獲得において、全3大会でチームに選抜されていたのはカリーナ・フォクトだった。フォクトはラハティで既に女子個人ノーマルヒル戦の金メダルを獲得しており、今回の混合団体戦で2個目の金メダルとなった。
マルクス・アイゼンビッヒラー、スヴェニャ・ヴュルト、そしてアンドレアス・ヴェリンガーにとっては、世界選手権で初の金メダルとなった。
21歳のヴェリンガーは、「このメダルは僕にとって凄く意味のあるもの。毎日世界選手権の王者になれるわけではないからね」と喜びを表した。そしてアイゼンビッヒラーは、「大きな大会でカリーナはいつも勝ちに出てくる。これは驚くべきこと」と、特にカリーナ・フォクトを賞賛した。ソチ五輪金メダリストでもあり、世界選手権女子個人戦金メダリストでもあるフォクトは、アイゼンビッヒラーのことを「いつも上機嫌で、チームを良い雰囲気にしてくれる」と褒めた。
女子個人戦で6位だったスヴェニャ・ヴュルト(23歳)もドイツチームの好成績をうまくまとめた。「世界王者のタイトルを取れて、もの凄いこと。まだ消化しきれていない。残念なことに2回とも着地でポイントを取りそこねてしまった」とヴュルトは話した。
ドイツチームの二人のコーチも大喜びだった。ヴェルナー・シュスターは、「これほどの圧勝を決められるとは思ってもいなかった。カリーナには大きな賛辞をおくりたい。他の選手たちも良くやった。全員が最高のパフォーマンスを見せてくれた」と語った。女子チームのコーチ、アンドレアス・バウアーは言葉も見つからないようで、「本当に信じられない、夢のよう」と答えた。
ファールン大会と同じ順番
今回銀メダルとなったオーストリアは、4年前のヴァル・ディ・フィエンメ大会でも同じく銀を取っていた。2年前のファールン大会では4位だったが、今回はその当時と全く同じメンバーで臨み、メダルを獲得した。
オーストリア男子チームのコーチ、ハインツ・クッティンは、「前回の世界選手権では、メダルに手が届きそうなところにいたのに、最終的には日本の方が少し強かった」と話し、「今日はみんなが良いジャンプを見せたけれど、本当に上手く決まったとは言い難かった」と評した。特に前半に飛んだダニエラ・イラシュコ=シュトルツとミヒャエル・ハイボックは、ドイツの対戦相手に差をつけられて過ぎてしまった。その反面、ジャックリーン・ザイフリーツベルガーは、世界選手権史上3度目の混合団体戦で、3度目の参戦となったが、彼女の回で2回ともトップだった。シュテファン・クラフトも上手く揃えたが、アンドレアス・ヴェリンガーには合計3.2ポイント及ばなかった。
日本男子、少し足らず
日本は、4年前の世界選手権では金メダルを取ったが、今回は2年前のファールン大会と同様に銅メダルだった。ファールンの時は葛西紀明が出ていたが、今回は伊東大貴が代わりに出場した。1番手だったワールドカップ総合首位の高梨沙羅は、2回ともカリーナ・フォクトに遅れを取り、2位に甘んじた。
それに対し伊藤有希は、1回目はザイフリーツベルガーにわずか0.2点差まで迫り、上位8チームが進むファイナルラウンドでは、そのグループの1位だった。トップになかなか食いついて行けなかったのは、竹内択と伊東大貴だった。それでも、スロベニアとノルウェーを振り切るには充分な成績だった。
スロベニアチームでは、女子のニカ・クリツナーとエマ・クリネッチがそれぞれ飛距離を伸ばし切れず、ペーター・プレウツも1回目では88mしか出せなかった。それでも、個人戦には選抜されなかったアンツェ・ラニセクは、93.5mと96.5mの好ジャンプを見せた。
歯が立たず
メダル争奪戦に近づくことさえできなかったのはノルウェーチームで、最初のシルエ・オプセツからして既に大きく水をあけられてしまった。しかし女子個人戦で4位だったマーレン・ルンドビー、ダニエル=アンドレ・タンデ(男子個人NH戦15位)は期待通りの出来を見せた。参戦する予定だったヨハン=アンドレ・フォアファングは、トライアルランドの後にめまいをおこし、急遽アンダース・スティエルネンが代わりに出場した。
アメリカにわずか0.5点差で9位になったチェコチームは、上位8位が進めるファイナルラウンドに進むことができなかった。
ヴィレ・ラリントとヤンネ・アホネンが参戦したフィンランドも、同じくトップ8入りを逃し、11位になった。
※注)大会日程は現地時刻です。