01 | Tschofenig, D. | 274.8 | ||
02 | Hoerl, J. | 269.7 | ||
03 | Kraft, S. | 268.0 | ||
04 | Forfang, J. | 264.9 | ||
05 | Deschwanden, G. | 264.4 | ||
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1月6日(金)、ビショフスホーフェン(ドイツ)で行われた第65回スキージャンプ週間最終戦は、なんともドラマチックな展開だった。ソチ五輪金メダル2冠のカミル・シュトッホ(ポーランド)が劇的な最終戦で優勝し、同時に第65回ジャンプ週間総合優勝も決めた。シュトッホは134.5mと138.5mのジャンプ(計289.2ポイント)で、オーストリアのミヒャエル・ハイボック(130.5mと142m、283.3ポイント)を2位、チームメイトのピオトル・ジーラ(131mと137m、275.8ポイント)を3位に抑えた。シュトッホは今季ジャンプ週間の王者となり、総合2位はピオトル・ジーラ(ポーランド)、3位はダニエル=アンドレ・タンデ(ノルウェー)だった。
圧倒的なシュトッホ、靴の部品が外れたタンデ
第1ラウンドでは、優勝最有力と見られていたシュトッホとタンデはまだ拮抗していた。それに対し、計算上は総合優勝の可能性も残されていたシュテファン・クラフト(オーストリア)だけは128mと伸びず、タイトル争奪戦からほぼ離脱が決まった。
そして、ファイナルラウンドではタンデが信じられないような不運に見舞われた。なんとジャンプ中にタンデの靴のビンディングクリップが外れたのだ。タンデは飛翔中、コントロールを失ったものの転倒は免れたが、117m地点で着地してしまった。これで22歳のタンデにとって、ジャンプ週間総合優勝の夢は儚く消えた。
その後、カミル・シュトッホはビショフスホーフェン・ジャンプ台で、ただ手堅いジャンプをおさめれば良かった。それでもシュトッホは138.5mの素晴らしいジャンプを決め、最終戦の優勝と同時に総合優勝を手にした。オーストリアのミヒャエル・ハイボックが今日の2位、ポーランドのピオトル・ジーラが3位に入った。
シュトッホは、「本当に際立った成績で、チーム全体にとって素晴らしい成功となった。ピオトル・ジーラが総合2位、マチェイ・コットも総合4位に入った。我らがシュテファン・ホルンガッハーはスキージャンプ最高のコーチだと思うけれど、この成功においてはチームの全員のおかげ」と、優勝を決めた後に語った。カミル・シュトッホは、アダム・マリシュが果たして以来、ポーランド人として二人目のジャンプ週間総合覇者となった。29歳のシュトッホは、世界選手権と冬季五輪の金、ワールドカップ総合優勝、そしてジャンプ週間総合優勝を達成した数少ないスキージャンパーの一人にも加わった。
ダニエル=アンドレ・タンデは一時的に失意のどん底にいたが、表彰式では再び自身の素晴らしい功績と総合3位入賞を喜ぶことができた。「2本目のジャンプの後は際限が無いほどがっかりしてしまったが、数分が過ぎた後にはまた持ち直した」と話した。
チームメイトのシュトッホに続き、最終的に総合2位になったピオトル・ジーラだが、自身にとってもかなり驚きの入賞だったようだ。「自分が総合成績で表彰台入りするなんて全然思っていなかった。調子はどんどん良くなっている」、とはジーラの談だ。
オーストリア、喜びの表彰台入り
ミヒャエル・ハイボックのおかげで開催国オーストリアは、ジャンプ週間をうまく締めくくることができた。ハイボックは1本目では6位だったが、2本目で142mの素晴らしいジャンプを決めて最終的に2位まで追い上げた。「今日の2本目は信じられないぐらいうまくいった。これで自分にとって、何とか良いものとしてジャンプ週間を終わらせることができた。シュテファン・クラフトも僕も、今日の昼食の時にはまだ(ウィルス性の胃腸の風邪で)調子が悪かった。これで今からは、まず完全に健康になることを最優先にできる。この試合で自分でできる限りのことは果たした。今日ここへ来てくれた僕のファンクラブの人たちに、ものすごく支えてもらった」と、4日(水)のインスブルック戦は体調不良で欠場を余儀なくされたハイボックは話した。
ハイボックのチームメイト、シュテファン・クラフトは、最終戦が始まる前は、ジャンプ週間総合でタンデとショトッホに続く3位についていた。しかし、今日のホームグラウンドでの試合では25位と伸びず、総合6位まで順位を下げてしまった。そのためオーストリア勢の中で総合成績トップは、5位になったマヌエル・フェットナー(最終戦12位)だった。
前半戦リードのテペシュ、再びW杯総合首位のドーメン
手に汗握るジャンプ週間最終戦で、前半はスロベニアチームが優勢だった。1本目が終わった時点で、141mの素晴らしいジャンプを決めたユーリ・テペシュが首位に立つという驚きの展開だった。2本目では首位を守ることはできなかったものの、27歳のテペシュは最終的に7位という成績でもかなり満足の様子だった。同じくスロベニアのドーメン・プレウツは4位になり、わずか0.6点差で表彰台入りを逃した。しかし、17歳のドーメン・プレウツはこの好成績で、ワールドカップ個人総合成績トップの座を再び取り戻した。
この最終戦で、ヴェルナー・シュースター率いるドイツチームからは最上位には誰も入ってこなかったものの、リヒャルト・フライタークが6位、シュテファン・ライエが8位、カール・ガイガーが9位で、3人がトップ10に入賞した。前日の予選で新ヒルレコードを立てて1位だったアンドレアス・ヴェリンガーは、1本目に123mのジャンプで31位となり、2本目に進めなかった。
スキージャンパー達は、次の週末にポーランドで行われる大会まで、数日間少し静かな時間を過ごせるだろう。1月14〜15日に続くワールドカップ・ヴィスワ大会には、熱狂的なファンが集まること請け合いだ。
※注)試合日程は現地時間です。