01 | Tschofenig, D. | 274.8 | ||
02 | Hoerl, J. | 269.7 | ||
03 | Kraft, S. | 268.0 | ||
04 | Forfang, J. | 264.9 | ||
05 | Deschwanden, G. | 264.4 | ||
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やはり2017年も、これまでに唯一スヴェン・ハンナヴァルト(独)だけが果たしたスキージャンプ週間全4試合制覇という記録は塗り替えられなかった。オーバーストドルフ(独)で行われた今季のジャンプ週間初戦ではシュテファン・クラフト(オーストリア)が優勝し、第2戦となるガルミッシュ=パルテンキルヒェン(独)での元旦ジャンプではまた違う選手、ダニエル=アンドレ・タンデ(ノルウェー)が勝利を挙げたからだ。3.2点差で2位となったのは、どんどん調子を上げているポーランドのカミル・シュトッホだった。初戦の勝者、シュテファン・クラフトが第2戦では3位となった。
なんという試合、なんというファイナルラウンドだ!ファイナルラウンドでは140m超えのジャンプが3本も出た。絶好のジャンプ日和、ガルミッシュ=パルテンキルヒェンで行われた伝統的な元旦ジャンプに2万人の観客が集まった。最終的に、2002年にスヴェン・ハンナヴァルトが果たして以来ご無沙汰のホームゲームでの優勝はまたお預けとなったものの、マルクス・アイゼンビッヒラーが大健闘の4位入賞を果たし、ドイツ勢も体面を保った。
ジャンプ台の下、ブレーキングトラックでノルウェーのジャンパー達が待ちかねていた。1本目で138mのジャンプを見せたダニエル=アンドレ・タンデは、2本目でも142mの大ジャンプを決めた。カミル・シュトッホは1本目では135.5mで5位についていたものの、2本目では今日の最長飛距離である143mを出して最上位に肉薄し、公式結果が出るまでは興奮のるつぼだった。勝利が決まった瞬間にノルウェー勢が沸いた。289.2ポイントで勝利が確定し、喜びのダニエル=アンドレ・タンデをトム・ヒルデなどが肩に担ぎ上げた。
「なるべくリラックスを心がけて2本目に臨んだ。ここガルミッシュ=パルテンキルヒェンで優勝出来て、もちろんものすごく嬉しい。当然ちょっとの運の差にもよるけれど、夏場に自分の技術向上にはげんだおかげかも」と、22歳のタンデは喜んだ。
ますます調子を上げているカミル・シュトッホ(135.5m、143m、計286.0ポイント)も嬉しそうだ。「もちろん143mのジャンプは素晴らしかった。夏の厳しい練習が今になって実を結んだ。ジャンプ週間で勝てそうなジャンパーは沢山いる。ここでトップ・ジャンパー達と対戦できるのを満喫している」と、ソチ五輪金2冠のシュトッホは、これから続くインスブルック戦とビショフスホーフェン戦を見据えて語った。
ザルツブルク州出身の23歳、シュテファン・クラフトはジャンプ週間総合成績でトップの座を奪われたが、それでも137mと140mのジャンプで計282.4ポイントを獲得して3位に入り本当に嬉しそうだ。「新年のスタートとしては、かなり満足している。ここガルミッシュ=パルテンキルヒェンで表彰台入りできるなんて、ものすごいこと」と、クラフトは記者会見で話した。クラフトはジャンプ週間総合成績で、首位に0.5m以下の差となるわずか0.8点差で2位についている。
ガルミッシュのオリンピックスタジアムに集まったスキージャンプファンは、ドイツ人ジャンパー達の好パフォーマンスを目の当たりにした。元旦ジャンプに出場権を得た9人のうち、オーバーストドルフ戦同様、7人がファイナルラウンドでトップ30に入った。マルクス・アイゼンビッヒラーが136.5mと139.5mのジャンプで、最終的に278.9ポイントを獲得し、オーバーストドルフ戦より順位を上げて4位に入った。最後は不安定な着地のせいで2.5点足らず、表彰台入りを逃した。「マルクス・アイゼンビッヒラーは人として成長している。彼にはまだまだ期待できる」と、ヘッドコーチのヴェルナー・シュースターは評価した。
同じくシュースター・コーチを喜ばせたのは、シュテファン・ライエが135.5mと134m、計268.8ポイントの好成績を出して健闘の8位に入ったことだ。24歳のライエにとってワールドカップ自己最高成績となった。
「今日はかなり良い面を披露できた。私達にとって良い一日となった。トップ選手以外でも今日は何本か良いジャンプが見られた」と、シュースターはジャンプ週間前半を終えて語った。
アンドレアス・ヴェリンガーが13位、リヒャルト・フライタークが15位で、更に2人のドイツ人ジャンパーがトップ15入りを果たした。昨シーズンまでは好調だったセヴェリン・フロインドだけはヘッドコーチにとって少し悩みの種だが、今の時点では大きな問題とはしたくないようだ。ワールドカップ総合優勝のタイトルを保持するペーター・プレウツ(スロベニア)とセヴェリン・フロインドは復調への突破口を模索中という同じような境遇におかれている。「セヴェリンは自分の状況をよくつかんでいるし、何が問題かということも分かっている」と、ヘッドコーチは話す。
ジャンプ週間の後半も面白くなること請け合いだ。総合成績ではカミル・シュトッホが591.2ポイントで、シュテファン・クラフト(590.4ポイント)から首位の座を引き継いだ。そして元旦ジャンプで優勝したダニエル=アンドレ・タンデが6.6点差で総合優勝に迫ってきている。マルクス・アイゼンビッヒラーにしても、現在572ポイントで、少なくとも総合成績3位までに入るチャンスはまだある。
ワールドカップ個人総合成績でも、上位の幅は詰まってきた。590ポイントのドーメン・プレウツが引き続きリードを保っているものの、元旦ジャンプで優勝したダニエル=アンドレ・タンデが532ポイントで追い上げてきている。
第65回ジャンプ週間は、全4試合中の2試合を終えた今、ドイツからオーストリアに場所を移す。
伝統的なインスブルックのベルクイーゼル・ジャンプ台と、最終戦となるビショフスホーフェンのパウル・アウサーライトナー・ジャンプ台での試合がまだ残されている。
今季のジャンプ週間は、一日の移動・休暇日を挟んで1964年と1976年に冬季五輪が行われたインスブルックに舞台を移し、2017年1月3日(火)14:00(日本時間22:00)から開催される予選へと続く。
※注)基本的な表記時間は中央ヨーロッパ時間で、日本からの時差はマイナス8時間です。