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新人ディートハルト、大感動のジャンプ週間W優勝

作成: 06.01.2014 23:05 / cy

第62回国際スキージャンプ週間では、トーマス・ディートハルト(オーストリア)が総合優勝を果たした。ジャンプ週間最終戦の今日、ビショフスホーフェン 大会で、彼はスロベニアのペーター・プレフツと同胞のトーマス・モルゲンシュテルンを抑え1位となった。ディートハルトは、ワールドカップ参戦わずか7試 合目にして、スキージャンプでも由緒あるこの大会で大成功を収めたことになる。

ビショフスホーフェン(オーストリア)会場の2万5千人以上の観客を前に、ディートハルト(21歳)はオーストリア国旗を手に大感動の優勝を祝っ た。今回も初の総合優勝を逃し、3位になったシモン・アマン(スイス)だが、試合後のディートハルトに「満喫しなよ!」と、一番に声をかけたという。

 

試 合後最初のインタビューでは、ディートハルトはほとんど言葉がみつからない程だった。「もう本当に信じられない。最後のジャンプではプレッシャーは感じな かった。今週一週間のことは、この先絶対に忘れないだろう。本当に凄い!とても嬉しいし本当に満喫することができた。会場のムードもモルギー(モルゲン シュテルン)が飛んだ時にはもう最高潮だった。何がここで起こったか、本当に理解できるようになるまでちょっと時間がかかると思う。スキージャンプでは、 あっと言う間に事が起こってしまう。メンタル面で何とかできれば、うまくいくんだ。」と、感動を語った。これまで、ヴォルフガング・ロイツル、アンドレア ス・コッフラー、トーマス・モルゲンシュテルン、グレゴア・シュリレンツァウアーが作り上げてきた、オーストリア・チームのジャンプ週間連覇記録はトーマ ス・ディートハルトの勝利で更新され6連覇となった。

 

ビショフスホーフェン大会の試合前には、シモン・アマンとトーマス・ モルゲンシュテルンも優勝できる可能性があった。1回目、まずモルゲンシュテルンが137.0m飛のジャンプを見せ、アマンは飛距離では0.5m伸ばした が着地がうまく行かず貴重な数点を失った。その直後、ディートハルトが138.5mの完璧なジャンプを見せた時点で勝敗は見えたようなものだった。前日の 予選で優勝したペーター・プレフツは、総合ランキングでは問題にならなかったが、今日の1回目の最長飛距離139.5mを出し、ディートハルトとモルゲン シュテルの間に割り込んだ。

 

ファイナルラウンドでは、アマンが先に飛び137.0mで全てをかけたが、最終的に285.7 ポイントで優勝争いからは外れてしまった。オリンピック4冠の彼は、「総合優勝を狙って一度も諦めずやってきた。一回目はうまくいかなくて悔しかった。着 地でもっと冒険してもよいのかな。トーマス、おめでとう!若いジャンパーとして他のライバルに打ち勝つのがどんなか、僕も知っているからね。」と、インタ ビューに答えた。

 

モルゲンシュテルンは今日の最長飛距離の142.0mを出し、293.6ポイントでスイスのアマンを押し 出し、しかも総合で2位に立つことができた。2011年に総合優勝をしたモルゲンシュテルンは「トーマス(ディートハルト)は、ここで優勝するだけのこと はした。素晴らしい成績をみせてくれた。おめでとう!転倒での怪我の後、自分がジャンプ週間で2位になれるなんて思ってもいなかった。すごく誇りに思う。 何回もいいジャンプができたから、この結果は僕にとってとても意味のあるものだ。」と語った。

 

ファイナルでペーター・プレフツが138.5mを出した後、ジャンプ週間新チャンピョンのディートハルトは140.0m、総合296.5ポイントで、2位に余裕の1.7ポイント差をつけて今日の勝者となった。

ス ロベニアのプレフツはそれでも満足そうだ。「とても嬉しいし、勝てなかったけどちっともがっがりなんかしていない。ビショフスホーフェンでの2日は僕に とって凄くいい時間だった。去年の世界選手権で1位と3位になった時より、今の僕のフォームは良くなっていると思う。でも、ここのレベルは信じられないぐ らい高い。」

Peter Prevc, Thomas Diethart, Thomas Morgenstern

 

最終戦でアマンは4位となり、今季ジャンプ週間での4回目の表彰台を逃した。5位に着いたのは素晴らしい健闘 をみせた葛西紀明で、133.5mと137.5mで281.0ポイントを獲得し、当初総合優勝候補にもなっていたアンダース・バルダルに2.6ポイントの 差をつけた。アンダース・バルダルが6位、アンダース・ファンネメルが276.1ポイントで7位、アンデシュ・ヤコブセンが11位で、ノルウェー勢はまず まずの結果だった。世界チャンピョンのカミル・ストッホ(ポーランド)は、インスブルック大会では3位に着いたが、今日は1ポイント差でファンネメルにか なわず8位となり、それでもW杯総合ランキング首位の座は守った。

 

アンドレアス・ヴェリンガー(273.3ポイント)が9 位、セヴェリン・フロインド(271.7ポイント)が10位になり、ドイツ・チームにとってはまぁまぁのジャンプ週間終幕というところか。ヤーン・マトゥ ラ(チェコ)は12位の好成績を収めた。 ヴォルフガング・ロイツルとミヒャエル・ハイボックが13位と14位に入り、オーストリアの優秀なチーム成績に貢献した。フィンランドのヤルコ・マエッ テーも、インスブルックでの7位、今日の16位と、満足な結果だ。インスブルック大会で優勝した、アンシ・コイブランタ(フィンランド)は19位。前回の ジャンプ週間総合優勝者、グレゴア・シュリレンツァウアー(オーストリア)は今日の試合では19位だった。去年のビショフスホーフェン大会で3位に入賞し 表彰台に上ったシュテファン・クラフト(オーストリア)だが、今回は20位だった。「去年のようにはうまく行かなかった。2回ともいいジャンプができた。 次のスキーフライング大会をとても楽しみにしているんだけど、一緒に参加できるといいな。」とは、クラフトの談だ。

 

ジャン プ週間開幕直前のW杯エンゲルベルク大会で1位と3位になったヤン・ジオボロ(ポーランド)は24位だった。リヒャルト・フライターク(独)はビショフス ホーフェン大会で29位、ジャンプ週間総合で24位だった。「今日は少しがっかりしている。予選が終わった時には、もう少しなんとかなると思っていた。そ れでもジャンプ週間中に進歩があったから、それを持って次に向かうよ。スキーフライング大会に参加するかどうかはまだよく分からない。これでジャンプ週間 では、先に誰が勝つか誰も予測できない、っていうことが分かったと思う。」と、フライタークは振り返った。

 

ジャンプ週間総 合成績で、トーマス・ディートハルトは合計1012.6ポイントで、2位のトーマス・モルゲンシュテルンに18.3ポイントも差をつけた。モルゲンシュテ ルンは3位のシモン・アマンに1.9ポイントの僅差だった。オーバースドルフの初戦から3位となり表彰台に上ったペーター・プレフツは、971.3ポイン トで4位となり、5位の葛西紀明に9.2ポイント差だった。当初、優勝候補だったアンダース・バルダルとカミル・ストッホは950.6ポイントと 938.2ポイントで6位と7位に着いた。オーストリア・チームは、タイトル保持者のグレゴア・シュリレンツァウアーとミヒャエル・ハイボックも8位と9 位に入り、トップ10中4人を占め、絶好調のジャンプ週間総合結果となった。ドイツ勢では、アンドレアス・ヴェリンガーが10位で、唯一のトップ10入り となった。

 

過去ジャンプ週間総合優勝を果たした選手の今回の結果は、前述のモルゲンシュテルンとシュリレンツァウアーの 他、アンデシュ・ヤコブセン(2007年優勝)が13位(854.5ポイント)、ヴォルフガング・ロイツル(2009年優勝)が15位(799.2ポイン ト)、ヤンネ・アホネン(5回優勝)が23位(736.9ポイント)、アンドレアス・コフラー(2010年優勝)が25位(731.0ポイント)、ヤコ ブ・ヤンダ(2006年優勝)が46位(341.2ポイント)だった。

 

今季のスキージャンプ大会は、来週末に予定されているバート=ミッテンドルフのスキーフライングジャンプ台へと続く。

 

ジャンプ週間最終戦・結果(PDF)

2013/14年ジャンプ週間総合成績

 

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