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強風に悩まされたインスブルック大会 コイブランタが驚きの優勝!

作成: 04.01.2014 20:51 / cy

アンシ・コイブランタ(フィンランド)が、予想外のワールドカップ初優勝を決めた。第62回ジャンプ週間の3試合目でコイブランタがファーストラウンドで健闘し、2位のシモン・アマン(スイス)と3位のカミル・ストッホ(ポーランド)を抑えた。

今日の勝者、コイブランタは大感激だ。「何と言ったらいいのか分からないからインタービューは難しいな。今日のこの日が信じられないぐらいだ。風のせいで難しくて、この条件の中でベストを尽くさなくてはだった。多分、自分が今日一番幸せなヤツだと思う。風はそれほど強くはなかったけど、前から後ろ今度は横から、と常に方向が変わって、時には全方向からも吹いてきた。僕のジャンプの時、運がついていて良かった。この感覚を保っていけるようにしたい。自信を持っていれば、成功はついてくるものだと思う。ここ2週間ぐらいから良い方向に向かって来ていた。」と、喜びを伝えた。

 

ファイナルラウンドの30人中、21番目まで行った所で、ジュリーは試合を打ちきることを決定した。風はどんどん強さを増し、荒れ狂う中、安全でフェアな試合続行が無理であるとの判断がなされた。FISのレースディレクター、ヴァルター・ホーファーはBerkutschi.comに対し、「一日中フェーン現象の強風がいつ襲ってくるか分からない状況の中で、審判も選手も素晴らしい仕事をしたと思う。時間の余裕がが無い中で、風待ちのブレイクがどんどん長くなってきて、全ての選手の番をこなすことができなかった。」と発表した。

 

その恩恵を受けることになったコイブランタは、試合の序盤で既に132.5mを出し127.5ポイントを獲得した。1.2ポイントでその後に続いたのは133.5mのジャンプを見せたシモン・アマンで、世界チャンピョンのカミル・シュトッホはそのわずか0.1ポイント差で3位となった。

「今日はこれで満足と思わないと。僕にとって、ここのジャンプ台はいつも難しい。今日は条件が合ったのと、必要不可欠な攻撃性が出せた。何としてもこなしたい課題があって、それがうまくいった。試合条件は、開幕戦からめちゃくちゃで、確かなことは何もない。自分の経験を全て生かせば、まだジャンプ週間総合で優勝できるチャンスはあると思う。でもライバルたちの強さを知っているから、甘く見るなんてことは絶対ない。トーマス・ディートハルトは他のオーストリア人と同じで凄く強い。かなりの混戦になるんじゃないかな。僕にはビショフスホーフェンの方が合っていると思う。」とは、アマンの談。

 

カミル・ストッホは、今季のジャンプ週間で初めての表彰台達成で満足そうだ。「もちろん嬉しいよ。今日はいい仕事ができて、良いジャンプが飛べた。それで表彰台に上がれて嬉しい。どんな風が来るか分からなかったから、とても難しかった」

 

地元オーストリアのヒーロー、グレゴア・シュリレンツァウアーは131.5mのジャンプを見せたが、わずか0.8ポイントの差で表彰台を逃し、4位となった。「この上昇気流の中ではすぐに遠くまで飛べる。今日の試合が難しいものになるっていうのは、ここ二日みんなから言われていた。僕は運が良かったんだ。」と、シュリレンツァウアーは語った。ジャンプ週間総合ランキングで1位のトーマス・ディートハルト(オーストリア)は表彰台は逃したものの、126.5mのジャンプで127.7ポイントをオーストリア・チームに加算して、ビショフスホーフェンでの最終戦への期待が高まる。

 

ファーストラウンドからころころ変わる風の中、ペーター・プレフツ(スロベニア)も122.1ポイントで6位という結果に満足できるだろう。41歳の葛西紀明が121.3ポイントで7位。笑うどころじゃなかったのは、風の運がついていなかったトーマス・モルゲンシュテルン(オーストリア)で、119.5mしか飛べず118.8ポイントとなり、ジャンプ週間総合トップに16点も遅れを取ってしまった。今日、良い結果が出せたのは、ヤルコ・マエッテ(フィンランド)で、9位に入り、W杯自己ベストの成績だった。デニス・コルニロフ(ロシア)は予選での好成績を裏付け10位となり、前季のプラニカ大会以来の自己ベスト成績となった。

 

風で荒れた気象条件の中、ドイツチームは苦戦した。リヒャルト・フライタークが11位、マリヌス・クラウスが11位、セヴェリン・フロインドが15位、そしてアンドレアス・ヴェリンガーが18位で、少なくともまとまったチーム成績を示せた。「自分のジャンプに満足している。気候条件はどうしようも無い。2、3人のギリギリだったジャンパーも見たけど、このスリルもつきもの。とは言え、何もかもが天候条件に左右されるのは困るから、そうならないように願っている。」

 

12位になったシュテファン・クラフト(オーストリア)は、インスブルック戦の2回目でかなり良いジャンプをみせたのだが、1回目の結果だけで勝敗がつくことになり、「もちろん、残念。でも試合の打ち切りは正しい判断だったと思う。よくは見ていないけど、天気は回復しなかっただろうし、そうじゃなかったら審判もストップをかけなかったと思う。トーマス・ディートハルトが総合でリードしているのは凄い。」と語った。アンダース・バルダル(ノルウェー)はインスブルック戦で14位になり、トーマス・ディートハルトに44ポイントの差がついてしまい、総合優勝を逃すことが確定的になった。アンデシュ・ヤコブセン(ノルウェー)は16位に着き、「今日の試合は僕にとってだけ奇妙だった訳じゃない。フェアだったとは言えないと思う。転倒も乱れたジャンプもあったから、観客にとってはいいショーだったと思う。僕は怖いもの知らずのバカだからか、危険とは感じなかった。」と話した。

 

運を取り込んだトーマス・ナグリッチ(スロベニア)は、W杯自己最高成績の17位に着いた。21位のマヌエル・フェットナー(オーストリア)は、「難しい試合だっていうのは皆が分かっていたこと。僕はただ、2本足でしっかり着地できるようコントロールを失わないように心がけた。」と語った。「今日は運次第だった。僕の時はまぁまぁだったかな。雰囲気はパーフェクトだったから飛んだんだ。」とは、22位のヤーン・マトゥラ(チェコ)の談。ポーランドのマチェイ・コットは32位で幻のファイナルを逃したが「今日は本当にルーレットみたいだった。飛距離を出すには運が必要だった。こんなに沢山のお客さんが来てくれたし、試合を決行したのはまぁ良かったと思う。大会は僕達だけじゃなくて、ファンの人達のためでもあるんだし。天候条件もそんなにひどくは無かった。」と今日の天気に触れた。

 

1/6(月)にビショフスホーフェン(オーストリア)で行われるジャンプ週間最終戦で、総合成績の首位に着いているトーマス・ディートハルトに勝てる可能性があるのは、15.4ポイント差のトーマス・モルゲンシュテルンと9.4ポイント差のシモン・アマンだけだ。ディートハルトは「インスブルック大会は凄く難しかったけど、自分ではそんなに悪く無かったと思う。もちろんファイナルでもう一度飛べたら良かったけど、審判の判断は正しかったと思う。僕の親戚や知人が沢山集まってくれると思うし、ジャンプ台ももっと相性がいいから、ビショフスホーフェンでのムードは半端じゃなく高まると思う。絶対に面白くなる!」と、期待を語った。

 

総合成績で4位の葛西紀明は、3位のモルゲンシュテルンに19.6ポイントの差がついてしまい、ジャンプ週間総合の表彰台に上がるのは無理だろう。今日3位だったカミル・ストッホは、ジャンプ週間総合で53ポイントも差がついてしまったが、W杯総合では引き続きトップで、それを頼みにするしかない。アンダース・バルダルとグレゴア・シュリレンツァウアーはそれぞれジャンプ週間総合成績6位、7位で、同じく上位決定の勝負に関しては傍観することになった。ドイツ勢はミヒャエル・ノイマイアーが12位、アンドレアス・ヴァンクが13位、アンドレアス・ヴェリンガーが14位だった。今日の勝者アンシ・コイブランタは23位に着いている。

 

ミヒャエル・ノイマイアーは「僕にとって、今日の試合のスポーツ的な価値はゼロ。フェアじゃ無かったけど、安全性にはかなり気を遣っていたと思う。総合成績で12位だろうが15位だろうが同じこと。昨日も今日も僕のジャンプはうまくいかなかった。」と、インスブルック大会を早々に切り捨てた。3試合を経て22位にしか達しなかったセヴェリン・フロインド(独)は「ジャンパーにとって、最終的に正しい決断だったのかを判断するのはかなり難しい。今日の試合がハードだったっていうのは誰もが分かったこと。選手にとっては、もちろん2ラウンド飛べる方がいい。僕のジャンプは危険ではなかったとはず。そうでなければ、コーチが合図していたと思う。それでも、ここでの試合はガルミッシュ大会よりは明らかにうまくいった。成功だった僕の2回目のジャンプがカウントされないのは残念だけど、この気持ちを持って次に望むよ。」とインスブルック大会について語った。

 

ジャンプ週間インスブルック大会・結果(PDF)

 

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