01 | Paschke, P. | 317.1 | ||
02 | Tschofenig, D. | 309.2 | ||
03 | Ortner, M. | 307.1 | ||
04 | Kraft, S. | 306.0 | ||
05 | Hoerl, J. | 300.9 | ||
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ジャンプ週間ガルミッシュパルテンキルヒェン大会(独)の元旦ジャンプで、トーマス・ディートハルト(オーストリア)は初のワールドカップ優勝を勝ち取り、同時にジャンプ週間総合ランキングでトップに躍り出た。会場では応援していた両親が感動の涙を浮かべ、21歳のディートハルト自身もこの幸運が信じられないようだ。「すごいことだと思う。こんなにいいジャンプが見せられてすごく嬉しい。今はとにかく何もかもうまくいっている。会場の雰囲気も気持ちを盛り上げてくれているし、とても満喫している。」とインタビューに応えた。
ディートハルトは、今日の最高飛距離、141.0mと140.5mを出し、2位になった同じくオーストリアのトーマス・モルゲンシュテルン(2回とも139.0m)に11ポイントの差をつけた。
ケルンテン州出身のモルゲンシュテルンは、「2回目のジャンプは1回目よりは良くなかった。着地でも取れるはずの点を数点逃してしまった。とは言え、今日表彰台に立ててとても誇りに思う。」と満足そうだ。
3位に着いたのは、オーバースドルフでの開幕戦で優勝したシモン・アマン(スイス)だ。アマンは133.5mと139.0m飛んだが、ディートハルトには約20ポイントも差がついてしまった。総合成績でもアマンはランクを落とし、トーマス・ディートハルトに12ポイントも越されてしまった。「今日のファイナルでのジャンプを1回目でもできていたら勝てたかもしれない。それでも表彰台に立てて満足している。総合ランキングは、まだどうにでも変わる可能性はある。」とアマンは語った。
アンダース・ファンネメル(ノルウェー)はアマンに2.8点差の275.5ポイントで4位となり、期待以上の結果をみせた。138.0mと136.5mを見せたファンネメルは、ノルウェー勢でもトップだった。ファンネメルの後、8.5ポイントの差で5位になったのはアンドレアス・ヴェリンガー(独)で、彼もドイツ勢のトップだった。6位は265.3ポイントの葛西紀明で、今日の結果でジャンプ週間総合ランキングで4位に上ってきた。
ヴェリンガーは、「なんで好調なのか理由は自分でもよく分からない。今日はもっとジャンプに集中できて、それで5m伸ばせたし、質も高かった。総合成績争いは他の人がやっていること。僕等はリラックスしてインスブルックにいくよ。」と、幸先の良い新年スタートを喜んだ。
W杯総合トップのカミル・ストッホ(ポーランド)は264.9ポイントで7位となり、オーバースドルフ大会よりは良い成績を出したが、ジャンプ週間総合ランキングで約60ポイントも遅れをとってしまった。グレゴア・シュリレンツァウアー(オーストリア)も、タイトル防衛の希望を諦めなくてはだろう。ストッホに0.1ポイント足らず8位になったシュリレンツァウアーは、チーム後輩のディートハルトに50ポイント近くも離されてしまった。「トーマス(ディートハルト)は表彰台に立つのに必要な自信がついたんだと思う。僕達先輩に対する畏怖もなくなったと思ったら、すぐさま好成績だ。オーストリアにまた若手が出てきていい事だと思う。インスブルック大会にはわざわざモチベーションを高める必要も無い。いくつか技術的な問題があるから、勝つためにはそれを克服しないと。今度の凱旋試合もすごく良い訓練になると思う。オーバースドルフ大会以来、総合ランキングを見るのはかなり辛い。でも現実的にならないとね。全てが完璧じゃないと優勝できないけど、今のところ僕はちょっとしたスランプにはまっている。今度の凱旋試合を楽しみにしているし、ジャンプ週間を経て、2月に向けて良い方向にもっていけるようにしたい。」とはシュリレンツァウアーの談だ。
リヒャルト・フライターク(独)にとって元旦はまずまずのスタートとなった。オーバースドルフ大会ではっファイナルを逃したが、今回は264.2ポイントで9位となった。「まだ完璧とは言えないけれど、ジャンプの手応えが戻ってきている。この調子で努力していけば良いと思う。今日はラッキールーザーで残れて良かった。ジャンプ週間の中間成績は複雑。ドイツ・チームは、まだ目標通りとは言えない成績だけど、いい方向に進んでいるとは思う。オーストリア戦ではこのレベルを維持して、更に強くなっていきたい。」と、フライタークは抱負を語った。
0.3ポイント差で10位に着いたのはフィンランドのアンシ・コイブランタで、約2年ぶりのW杯最高成績だった。ヤーン・マトゥーラ(チェコ)は11位に入り、開幕戦での失敗を挽回した。アンドレアス・コフラーは12位に着き、ますます好調なオーストリア・チームだ。
アンダース・バルダル(ノルウェー)は、逆に開幕戦での出だしは順調だったが今日は13位となり、総合成績で既に35ポイント遅れをとってしまった。あとは他のライバルがミスしてくれるのを待たなくてはだ。「今日のジャンプは満足いく出来じゃ無かった。飛距離が充分伸びなかった。それでも次の試合を楽しみにしている。サプライズがあるのはジャンプ週間ならではのことだ。」とバルダルは語った。
ジャンプ週間優勝記録保持者、ヤンネ・アホネン(フィンランド)とアンドレアス・ヴァンク(独)がトップ15に入った。
スロベニア・チームはがっかりの成績だった。オーバースドルフ大会で強さを示し3位ととなったペーター・プレフツだが、今日は18位に終わった。火曜の予選では5位だったロベルト・クラニエッツが21位、イェルネイ・ダミヤンは22位だった。
2007年のジャンプ週間を制覇したアンデシュ・ヤコブセン(ノルウェー)は26位だった。「本当にいい自分のジャンプが飛べるようになってきていて満足している。今の僕には決め手となる5~6mが足りないんだ。でもリラックスできているし、うまい方向に行っているっていうのは分かっているんだ。インスブルックとビショフスホーフェンの大会で次の一歩が踏み出せるようにしたい。」とヤコブセンは語った。
マーティン・シュミットは、ドイツ勢でファイナル進出を決めた4人のうちには入れたが、最終的に27位だった。「僕にとって、ファイナルに進めたことが重要だった。ジャンプを満喫することができたし、ドイツのお客さんにさよならを言えたから。これが最後だっていう思いが何度もこみ上げてきて、下に降りてきた時は感動的だった。これからどうなるか、コーチがどういう予定を立てているか、良く知らないんだ。僕が今日ファイナルまで進めて、コーチも喜んでくれて、お互いがいい気分。もしオリンピックに行けるチャンスがあるなら挑戦したいし、すごくいい成績を出している若手がいるから、もし出場できなくてもそれはそれでいいと思っている。スキーをしまうべきなのか、まだジャンプを続けたいのか、これから落ち着いて考えようと思う。」
セヴェリン・フロインド(独)は、ぎりぎり32位でファイナルを逃した。「これまでの僕の調子でいけば、ジャンプ週間でも本当は違う成績が出せるはずだった。今日はうまくいかなくて凄く残念だ。でも、ここではいいジャンプができなかったし、前の選手との差も結構大きかった。今日の試合でのジャンプは昨日の予選のよりはうまくいったけど、充分じゃ無かったってことだね。」と残念そうだ。
31位でファイナルには進出できたものの、W杯ポイントを稼げなかったのはポーランドのクリストフ・ビーグンだった。
シュテファン・クラフト(オーストリア)は30位で辛うじて1ポイント獲得でき、「昨日の予選は凄く良かった。これからは故郷での試合で、インスブルックは性にあっているし、ビショフスホーフェンは僕の得意なジャンプ台だ。今の僕は絶好調ではないけれど、そう悪くないと思う。これからどうなるかみていて欲しい。」と語った。
第62回スキージャンプ週間も半分終わり、最有力視されていたカミル・ストッホとグレゴア・シュリレンツァウアーは、ずいぶん後手を踏んでしまった。それでも今季最初のこのハイライトまでに、いいフォームに調整してきたオーストリア・チームは、ジャンプ週間総合1位・2位を占めているトーマス・ディートハルトとトーマス・モルゲンシュテルンと共に、続くインスブルックとビショフスホーフェンでの「凱旋試合」に進むことになる。
少し後退したとは言え、未だに好調なのはシモン・アマン(スイス)だ。アマンは試合で4回ともコンスタントにいいジャンプを出しており、夢の総合優勝も叶えられるかもしれない。
ジャンプ週間総合ランクで4位と5位に着いている葛西紀明とアンダース・バルダルにとって、特に土曜のインスブルック戦はおもしろくなりそうだ。総合ランキングでリードしていても、チロル戦で思いがけず痛い目に合う選手はこれまでもままあった。34歳のミヒャエル・ノイマイアーが総合現在ドイツのトップに立っているのは、彼にとって悪くないだろうが、それが11位で、同じくなんとかついてきているアンドレアス・ヴェリンガーが16位、セヴェリン・フロインドが23位と勝負にならないのは残念なことだ。トーマス・ディートハルトが次の月曜まで今の絶好調を維持できれば、第62回ジャンプ週間総合優勝も夢じゃない。しかし、小さなミスでもディートハルトが起こせば、トーマス・モルゲンシュテルンとシモン・アマンは容赦しないだろう。
ジャンプ週間ガルミッシュ=パルテンキルヒェン大会・結果(PDF)