01 | Tschofenig, D. | 274.8 | ||
02 | Hoerl, J. | 269.7 | ||
03 | Kraft, S. | 268.0 | ||
04 | Forfang, J. | 264.9 | ||
05 | Deschwanden, G. | 264.4 | ||
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12/29にドイツ、オーバストドルフで行われたスキージャンプ週間開幕戦では、オーストリアチームがシュテファン・クラフトとミヒャエル・ハイボックの 1・2位独占で祝ったのに対し、ドイツのファンとシモン・アマン(スイス)は早くも総合優勝への希望をあきらめざるを得なくなった。
オーバストドルフの吹雪の中、シュテファン・クラフトは136.5mと129.0mで291.9ポイントを記録し、初のワールドカップ(W杯)優勝を果たした。 同じくオーストリアのミヒャエル・ハイボックが、137.5mと132.5m、285.0ポイントで2位に続いた。勝者クラフトにとって、この優勝はかなり感動的だったようだ。「いつかこんな事が起こるかもしれない、とは思っていた。でもそれが、よりによって今日起こったというのは夢のよう。ミヒャエルと僕はルームメイトだから、よく冗談で『いつも表彰台に交代で上がろう』と話していた。今日やっと一緒に表彰台を達成できた。僕等は次のガルミッシュ戦でも同じ様に挑戦したいと思っているけど、そのためには全てが完璧でないと無理。今日の条件は追い風と雪で厳しかったけれど、良いジャンプが決められた。今日もここで僕等のことを応援してくれたファンの皆さんを激賛したい。」
ミヒャエル・ハイボックも喜びを表し、「オーストリア勢はジャンプ週間でとても良い感じだと思う。僕等はかなりトレーニングしてきたし、今日はチームとして凄く強かった。総合優勝のことはまだ全く考えてもいなかった。今やっと8本のうちの2本が終わったところ。まだ何が起こるか分からない。シュテファンと僕はこれからお互いに刺激を与え合い、支え合って頑張っていけると思う」と語った。
プレウツの既視感
3位をものにしたのは、予選トップだったペーター・プレウツ(スロベニア)で、139.5mと125.5m、283.9ポイントだった。
プレウツは、「これまでの所、全て去年と同じよう。この間もここオーバストドルフ戦3位でジャンプ週間をスタートさせた。最終的には僕は4位になった。予測なんてできないけど、とにかく可能な限り良いジャンプを見せられるように努めるだけ。」とインタビューに答えた。
今季初のW杯出場となったソチ五輪金メダル2冠のカミル・シュトッホ(ポーランド)は、上々の4位だった。足首の負傷を乗り越えて、シュトッホは129.0mと131.0mで274.9ポイントをマークした。
そのわずか0.1ポイントの差で、アンドレアス・コフラー(オーストリア)が、135.5mと126.0mで5位で、オーストリアにとってほとんど完璧なチーム成績となった。
今晩、かなり厳しい結果となったのは、総合優勝の最有力候補でもあったシモン・アマン(スイス)だった。オリンピックで通算4つの金メダルを取ったアマンは、これまでジャンプ週間以外の全ての主要個人タイトルを制覇しているが、1回目のジャンプでリスクを冒して133.0mを出したが、着地の後に転倒してしまった。ファイナル出場を逃し、同時に待望のジャンプ週間制覇のチャンスは恐らく全てダメになってしまった。
アンダース・ファンネメル(ノルウェー)は、健闘の6位だったが、既にトップに20ポイント以上の差をつけられてしまった。数ある優勝候補の中の一人とされているロマン・コウデルカ(チェコ)だが、これまでの様な成果が挙げられず、265.3ポイントで7位だった。
葛西紀明(264.3ポイント)と伊東大貴(262.5ポイント)は8位と9位で、日本チームにトップ10入りをもたらした。イェルネイ・ダムヤン(スロベニア)は伊東と同点の9位だった。
ドイツ勢がっかり
フィンランド勢トップだった11位のラウリ・アシカイネン、12位のフィリップ・ソエン(ノルウェー)に続き、やっとドイツ勢トップとしてセヴェリン・フロインドが13位に入った。他のドイツ選手も、リヒャルト・フライタークが15位、マリヌス・クラウスが18位と期待に応えられなかった。
フライタークは見るからにがっかりして、「僕は1本目で既に数メートルは無駄にしてしまった。2本目もあまり良くなかった。本来ならどんな事が可能なのか、分かっているからこそ腹立たしい。でも、もうだいぶ立ち直って来たし、続きを楽しみにしている。」と話した。それに加えてセヴェリン・フロインドも、「今すぐに説明するのは無理だけど、とにかく今日の試合はうまくいかなかった。ジャンプはどうにもこうにも良くなかった。もちろん、最高の気分でガルミッシュへ戦へ、というわけにはいかないけど、仕事は続けないとね。」と答えた。
ただ、シュテファン・ライエとダニエル・ヴェーニッヒが19位と22位に入ったことは、ドイツチームにとって希望の知らせだった。ダニエル・ヴェーニッヒは、「僕にとって最初のW杯ポイント獲得となって文句は無い。昨日中止になったのに、今日も1万2千人ものお客さんが集まってくれてすごく嬉しい。」と話した。
ジャンプ週間制覇の夢はフロインドにとって、トップのクラフトに37点差をつけられた今、恐らく実現は難しいだろう。
ドイツ、コーチの厳しい言葉
ドイツチームのコーチ、ヴェルナー・シュスターは先を見つめ、「私たちは今晩中にガルミッシュに出発する。大事なのは今、チームを再生させること。クラフトとハイボックのジャンプは本当に素晴らしかった。それでも凄いジャンプを決められれば二人に太刀打ちできたはず。セヴェリンの場合、もう彼が長いことしなかったようなミスが問題だった。何としても遅すぎたし、今日特別うまくやろうとしていたのに、自分を深く信じる力が足りなかった。リヒャルトの場合は反対で、硬くなりすぎてテイクオフが早すぎた。オーストリア勢とジャンプ週間は、ドイツのサッカーチームと世界選手権に少し似ている。どちらも、当然と思っている。これから私たちに必要なのは、一つ一つ良い結果を出していくこと。これだけ高いレベルでこれ程ひどいジャンプだったことは一度もない。我々のトップ選手がここでこんなに無惨な結果を出すなんて、スポーツの観点から見て大きな失望だ。」と語った。
強豪オーストリアチームだが、その中で元ジャンプ週間の王者2人だけは期待はずれの結果となった。グレゴア・シュリレンツァウアーは17位、昨年のチャンピオンであるトーマス・ディートハルトは27位だった。
トーマス・ディートハルトは、「総合的に見て調子は上向きになっている。それを受けて自信も出てくる。2回目は上手く飛翔することができた。」とインタビューに答えた。
シュリレンツァウアーは、「この結果を受け入れる。1本目は上手くいったけど、2本目はそうでもなかった。まだ安定感が足りない。改善しなくてはいけない点がまだ何点かある。これから続くジャンプ週間で、一歩一歩前進して、良いジャンプを示したい。」と試合後に語った。
ロシアチームは、ディミートリ・ヴァシリエフが23位、ヴラディスラヴ・ボヤリンチェフが30位でポイントを倍にした。
スキージャンプ週間は、12/30(火)は一日休みとなり、ガルミッシュ・パルテンキルヒェン(独)にて大晦日に予選、元旦に第2戦へと続く。