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W杯男子エンゲルベルク第2戦 小林陵侑、再び頂点へ

作成: 16.12.2018 16:13 / sk

12月16日(日)、ワールドカップ男子エンゲルベルク大会(スイス)の第2戦が行なわれ、小林陵侑が再び本領を発揮した。22歳の小林は、前日の第1戦では7位と、今冬で一番「悪い」成績だったが、スキージャンプ週間前の最後の試合で堂々の優勝を飾った。2位と3位は共にポーランドのピオトル・ジーラとカミル・シュトッホだった。

これで小林陵侑は、12月29日にドイツのオーバーストドルフで開幕するスキージャンプ週間に、優勝有力候補として参戦することになる。
小林は、「今日は昨日より助走路の感じが少し難しかった。その分今日の1本目は良い条件にあたった。」と話した。ファーストラウンドでヒルレコードに並ぶ144mの大ジャンプを収めて、既にはっきりとリードを決めていた。「ファーストラウンドが終わった時点で、僕のリードはそれ程大きくないと思っていた。ピオトル(ジーラ)とカミル(シュトッホ)の二人は、僕がもし極小さいミスでもしたら、すぐ追い越せるぐらいに迫っていた」と、カミル・シュトッホを葛西紀明とグレゴア・シュリレンツァウアー(オーストリア)に並んで尊敬しているという22歳の小林は説明した。「正直に言って、自分のこの冬の成績に驚いている。そうは言っても、今実現しているみたいにコンスタントに良い成績が出せることを何年もの間、目標にして頑張ってきていた。ジャンプ週間の優勝候補というプレッシャーは感じていない。自分のジャンプにだけ集中する。まずはこれから何日か日本に帰ってリラックスしたい」と話した。


トップ成績のカミル・シュトッホとピオトル・ジーラ

ポーランドの二人、カミル・シュトッホとピオトル・ジーラは、ジャンプ週間を目前にして、小林陵侑に肉薄した。シュトッホとジーラは、安定して高いレベルで飛んでおり、ジャンプ週間の勝利を狙うべく小林陵侑の小さな弱みも見逃さないだろう。
カミル・シュトッホはエンゲルベルク大会を振り返って、「今日の1本目は本当にうまくいったけど、2本目は満足いく出来ではなかった。2本目のサッツの直前でバカバカしいミスをしてしまった。それでも表彰台には届いたから、もちろんとても嬉しい。ここエンゲルベルクはいつ来ても素晴らしい。このジャンプ台のプロフィールは簡単とは断じて言えないけれど、それでもこのジャンプ台が好き。僕はいつも笑顔を浮かべてエンゲルベルクに来る。小林陵侑が僕のことをアイドル視してくれているなんて素晴らしいこと。でも僕自身はそんな柄じゃないと思っている。ジャンプ週間に関しては、どちらかと言うと若手にプレッシャーがかっかっている感じだから、僕はとてもリラックスして臨める気がする。もちろん、ジャンプ週間が始まるまでにやることはまだ沢山ある」と話した。

 

今シーズンが始まって以来の好成績でピオトル・ジーラはジャンプ週間の優勝候補の一人に数えられている。ジーラは人生始まって以来の好調さを見せている。「また表彰台に上がれて嬉しい。昨日の試合より、今日の方がうまくいった。今日は技術的に昨日よりずっとうまいジャンプを収められた。どうやったら陵侑を負かせるかなんて考えていない。陵侑はものすごく高いレベルで飛んでいるけれど、僕は自分のジャンプだけに集中して、他の選手のジャンプがどうかなんて気をつけていない」とジーラは話した。

ポーランドからはダヴィド・クバツキーも5位に入り、3人の選手が上位入賞を果たした。シュテファン・ホルンガッハーが率いるポーランドチームは、ジャンプ週間に向けて準備万端と言える。

 

ドイツのトップは再びカール・ガイガー
土曜のエンゲルベルク第1戦でW杯初優勝を飾ったカール・ガイガー(独)は、今日も上位に入った。オーバーストドルフ出身のガイガーは4位となり、辛くも表彰台入りを逃したものの、堂々たる自信をもって次のホームゲームに臨めるだろう。ドイツからは、マルクス・アイゼンビッヒラーも今季自己ベストの6位に入り、シュテファン・ライエも11位について優秀な団体成績を収めた。


ノルウェー勢のトップは、7位のロバート・ヨハンソンだった。前日は17位に終わったヨハンソンにとっては、かなりの進展だった。
ロシアのイエフゲニー・クリモフは8位で再び好調さを取り戻したことを裏付けた。チェコのロマン・コウデルカも、今週末のエンゲルベルク大会で11位と9位に入り、調子を上げていることをはっきりと示した。
フィンランドのアンティ・アールトは、もう数週間に渡って好調さを見せており、今日も10位で好成績を収めた。

 

浮き沈みのオーストリア
オーストリアチームにとっては残念な一日となった。ダニエル・フーバーは前日に行なわれた第1戦では3位入賞してW杯初表彰台入りとなったが、今日は予選で既に敗退となった。本戦でファイナルラウンドまで行けたのは唯一シュテファン・クラフトだけで、クラフトは12位になった。


W杯総合成績では、小林陵侑が556ポイントで首位、2位・3位にはポーランドのピオトル・ジーラ(445ポイント)とカミル・シュトッホ(365ポイント)が続いている。


スキージャンプのワールドカップは、クリスマス休暇を挟んで、ドイツ・オーバーストドルフへと舞台を移して続く。オーバーストドルフでは、いよいよ12月29日(予選)と30日(本戦)にスキージャンプ週間が開幕となる。

 

全リザルト

 

※注)基本的な表記時間は中央ヨーロッパ時間で、日本からの時差はマイナス8時間です。

 

統計

最長不倒
144.0m
Kobayashi, Ryoyu (JPN)
最短ジャンプ
117.0m
Aigner, Clemens (AUT)
平均飛距離
127.4m
K点越えジャンプ
74.1%
ネーション数
15
トップ10のネーション数
7
トップ30のベストネーション
6
Norwegen
Kobayashi, Ryoyu
02.12.18
Nizhny Tagil
Japan
02.12.18
Kobayashi, Ryoyu (JPN) Nizhny Tagil