01 | Tschofenig, D. | 274.8 | ||
02 | Hoerl, J. | 269.7 | ||
03 | Kraft, S. | 268.0 | ||
04 | Forfang, J. | 264.9 | ||
05 | Deschwanden, G. | 264.4 | ||
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11月18日(日)、ポーランドのヴィスワで行なわれた2018/19シーズン・ワールドカップ(W杯)の最初の個人戦で、ロシアの24歳、イエフゲニー・クリモフが優勝した。クリモフは127.5mと131.5mのジャンプで合計263.4ポイントを獲得し、2位のシュテファン・ライエ(独)と3位の小林陵侑(日本)に差をつけて勝利を決めた。今冬最初の個人戦に合わせて、やっと天気も冬らしくなってくれた。今日の試合は淡雪の降る中、恵まれた天候条件のもとで開催された。
イエフゲニー・クリモフが好調なのは、少なくとも今夏のFIS(国際スキー連盟)グランプリで総合優勝を飾り、11月16日(金)に行なわれた予選でトップになった時点で明らかだった。元ノルディック複合選手のクリモフはどちらかというと内気そうに見えるが、前半を首位で折り返した際のプレッシャーにも耐えられる精神的強さを持つことを今日の試合で鮮やかに証明した。
クリモフにとってW杯初優勝をかけた局面だという事実をものともせず、ファイナルラウンドでも全選手を抑えて最高のジャンプを見せた。
個人開幕戦の勝者となり、W杯総合首位に着いたというだけでなく、今日のヴィスワでのクリモフの勝利はスポーツ史にも新しい1項目を書き加えた。スキージャンプW杯で優勝した初めてのロシア人ジャンパーとなったのだ。
クリモフは試合後に、「ここヴィスワの雰囲気は素晴らしかったし、全てが完璧だった。ポーランドのファンの皆さんと、ジャンプ台をここまで整えてくれたスタッフの方々に心からお礼を言いたい」と感動もあらわにインタビューに答えた。
2位についたシュテファン・ライエも、クリモフと同様に自己最高成績を収めた。これまでのライエの最高成績は2016/17シーズンの韓国・平昌大会での5位だった。
ライエは、「このような成績を出せてとても嬉しい。2位入賞はこれまでで自己最高の成績。今日は2本とも良いジャンプを揃えられた。今日の勝者イエフゲニーにおめでとうと言いたい。もう次の試合をとても楽しみにしている」と話した。
3位に着いた日本人、小林陵侑もヴィスワの表彰台のニューカマーだ。今日表彰台に上がった3人とも新顔だった。そして小林陵侑にとっても3位は自己ベスト記録だ。クリモフやライエもそうだが、小林兄弟の弟、陵侑のここでの好成績もそれほど意外とは言えない。小林陵侑も夏の間、もの凄い強さを既に見せていた。
小林陵侑は、「今日は2本とも良いジャンプができた。ポーランドのファン皆さんが僕にまで凄まじい声援を送ってくれて、本当に嬉しかった。僕ら小林兄弟はポーランドが大好き」と話した。兄の潤志郎は昨年のヴィスワ戦で優勝している。
地元ポーランドのヒーローそしてスーパースターのカミル・シュトッホは、わずか0.3点差で表彰台入りを逃した。しかしシュトッホは、前日の団体戦で今冬もトップを狙えることを証明できたのだから、あまり痛くは感じないだろう。そもそもポーランドチームは今日だけでなく、今回のヴィスワ大会全体の成績に満足していることだろう。
今日はポーランドから更に、ピオトル・ジーラが6位、ダヴィド・クバツキーも8位に入った。ポーランドチームは、今シーズンをヴィスワの地で順調にスタートさせたと言える。
表彰台の顔ぶれだけでなく、トップ10に入ったスロベニアのティミ・ザイツやフィンランドのアンティ・アールトも新顔だった。ザイツは長いことスロベニアチームの成長株とされていた。フィンランドは長期にわたるスランプを経て、アールトのおかげでやっと上位にフィンランド人ジャンパーが返り咲いた。
2018/2019冬は新顔と驚きのシーズンになるかもしれない。
ポーランドチームと並んで、ドイツチームも強さを見せた。シュテファン・ライエの他にも、カール・ガイガーが9位、アンドレアス・ヴェリンガーが11位、ダヴィット・ジーゲルが13位で好成績を出し、マルクス・アイゼンビッヒラーが15位、リヒャルト・フライタークも22位となり、ドイツは優秀な団体成績を収めた。
なかなか思うような展開にならなかったのは、ノルウェーとオーストリアチームだ。ノルウェー勢のトップは10位のヨハン=アンドレ・フォアファング、オーストリアのトップは18位のダニエル・フーバーだった。
今度は来週(11月24・25日)のルカ大会(フィンランド)の2試合がどういう展開になるかが楽しみだ。選手たちは北極圏のルカで、この冬最初の本格的な試練に挑むことになる。ルカトゥントゥリ・ジャンプ台はかなり癖の有るジャンプ台と言われているし、いつも難しい風が吹いているからだ。
ルカ戦では、今回ヴィスワで頭角を現した新顔たちが世界上位を脅かす本命となりうるのか、それともやはりベテラン選手が再びトップに戻ってくるのかが注目される。
ルカ大会からはセヴェリン・フロインド(独)が復帰する予定で、もしかしたらスロベニアのペーター・プレウツも戻ってくるかも知れない。
※注)基本的な表記時間は中央ヨーロッパ時間で、日本からの時差はマイナス8時間です。