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W杯ヴィケルスン団体戦 ノルウェーが優勝、クラフトが世界新

作成: 18.03.2017 20:31 / sk
1
Norwegen
1572.6
2
Polen
1538.6
3
Österreich
1465.4

ノルウェーツアー「RAW AIR」の枠内で行なわれたワールドカップ男子ヴィケルスン団体戦はものすごい試合になった。世界一巨大なスキーフライングヒルで、まずは1回目に地元ノルウェーのロバート・ヨハンソンが世界新記録の252mを出した(これまでの世界記録251.5mは、やはりノルウェーのアンダース・ファンネメルが2015年にヴィケルスンで樹立していた)。その数分後には再び記録が更新された。オーストリアのシュテファン・クラフトが253.5mの信じがたい飛距離を出し、最後はかなり苦労しながらも立って着地を決めることができた。団体戦はノルウェーチームが優勝した。

序盤は難しい風の条件で、スキーフライングに向いている日とは思えなかった。最初の12人が飛ぶまでに約40分もかかり、その後ジュリーは第1ラウンドを強風のため一時中断し時間を置いた上で、競技を改めて始めなくてはならなかった。しかし、その後にヒルサイズ225のヴィケルスン・ジャンプ台で繰り広げられたのは、とんでもないスペクタクルだった。

 

世界記録が2回更新されたことと、240m超えのジャンプと自己ベストを出した選手が続出したこともあり、今冬初優勝となった開催国ノルウェーチームの成功が、かすんでしまうほどだった。

Andreas Stjernen, Johann Andre Forfang, Robert Johansson, Daniel Andre Tande

 

ノルウェーは、ダニエル=アンドレ・タンデ、ロバート・ヨハンソン、ヨハン=アンドレ・フォアファング、アンダース・スティエルネンのチーム編成で臨み、計1,572.6ポイントを獲得して強豪ポーランド(1,538.6ポイント)を抑えた。
ポーランドチームは、ピオトル・ジーラ、ダヴィド・クバツキー、マチェイ・コット、そしてカミル・シュトッホの4人で臨んだ。

 

3位には、オーストリアがミヒャエル・ハイボック、マヌエル・フェットナー、グレゴア・シュリレンツァウアー、シュテファン・クラフトの顔ぶれで計1,465.4ポイントを獲得して入賞した。

新しく世界記録保持者となったオーストリアのクラフトは、「世界新記録を出すには全てが完璧に揃わないといけない。その全てが今日完璧に揃った。条件もパーフェクトで僕のジャンプもパーフェクトだった」と感激して、「信じられないような気分で、正にアドレナリン全開だった。チームとしては3位という結果を出せて喜んでいる」とインタビューに答えた。

Piotr Zyla, Dawid Kubacki, Maciej Kot, Kamil Stoch

 

クラフトの前に数分間ながら世界記録を保持したロバート・ヨハンソンも、ヴィケルスンの巨大フライングヒルで起こったことに圧倒された様子だった。「自分が252mを決めた時は本当に圧倒されてアドレナリンがすごかった。すごい高さで滑空している時から、世界記録に近くなるというのは分かった。下降に入ったら少しでも飛距離を伸ばせるように苦戦して、とにかく立って収めたかった。チームの一員として表彰台に立たせてもらうのは僕にとって初めてで、これはとても特別なこと。今日は僕達にとって素晴らしい日になった。僕達みんながとても良いジャンプを見せることができた」と、ヨハンソンは試合後に話した。


2位入賞のポーランドチームからはピオトル・ジーラが、「今日は僕にとって本当に良い1日になった。試技の時から既に良かったし、1回目では自己ベストを更新する良いジャンプができた。チームの全員が今日はうまく飛べたし、2位になれてとても満足している。風の条件も今日は良くて、ジャンプ台付近では良い向かい風が吹いていた。スキーフライング戦がRAW AIRの最後っていうのは完璧」と話した。


4位は1,424ポイント獲得のスロベニアチームだった。ペーターとドーメン・プレウツ兄弟を擁するスロベニアなら表彰台も狙えたが、アンツェ・ラニセクが1回目で120mを出してしまってはそれは望むべくもなかった。フライングを得意とするプレウツ兄弟とユーリ・テペシュは相変わらず強かった。


ドイツチームにとっては、今回の団体戦は残念なものに終わった。ヘッドコーチ、ヴェルナー・シュスターが率いるドイツは1,305.2ポイントで5位だった。カール・ガイガー、リヒャルト・フライターク、マルクス・アイゼンビッヒラー、アンドレアス・ヴェリンガーで臨んだドイツだが、全8本のジャンプのうち、最初の1本でカール・ガイガーが132mで既に着地してしまった時点で、今日は上位を狙うチャンスを失った。

 

団体戦6位が日本、チェコが7位、スイスが8位だった。

 

 

RAW AIR総合首位は引き続きヴェリンガー

ドイツチームで圧倒的な強さを見せたのは、またもアンドレアス・ヴェリンガーだった。ヴェリンガーは245mと242.5mのジャンプを決めて、引き続きRAW AIR総合成績で首位の座を守った。

 

ヴィケルスンで日曜に行なわれるRAW AIR最終戦を前に、ヴェリンガーが1,879.5ポイントで辛うじてシュテファン・クラフト(1,873.3ポイント)を抑えている。ポーランドのカミル・シュトッホは1,806ポイントで3位につけている。

 

19日(日)のRAW AIR最終戦もかなりスリリングな展開となるだろう。
ヴィケルスンのスキーフライング個人戦は、14:15(日本時間22:15)から開催される予定だ。

 

W杯ヴィケルスン団体戦:全リザルト

 

RAW AIR総合成績

 

※注)基本的な表記時間は中央ヨーロッパ時間で、日本からの時差はマイナス8時間です。