W杯ヴィケルスン大会 シュトッホが再び予選1位
3月17日(金)、ワールドカップ男子ヴィケルスン大会(ノルウェー)が開幕となったが予定通りには進まなかった。まず、14日にキャンセルとなったリレハンメル戦の代替試合が行なわれるはずだったが、風が強すぎて中止を余儀なくされた。その後、公式練習と予選の開始時間もどんどん延期され、ようやく夜7時半になってスタートすることができた。
すでに早朝6時にはトロンハイムからヴィケルスンへ出発し、フライングヒルで1ラウンドしか公式トレーニングが出来なかったが、予選ではカミル・シュトッホ(ポーランド)が今日の最長である226.5mのジャンプで216.9ポイントを獲得し1位になり、長い一日が締めくくられた。シュトッホは前回のトロンハイム戦の予選でも1位だった。
ドイツのアンドレアス・ヴェリンガーは、シュトッホよりゲートを2つ下げて、213m(214.1ポイント)のジャンプを決めて2位に入った。これはバイエルン州出身のヴェリンガー(21歳)にとって、RAW AIR総合成績の面から見て重要な結果となった。それは、これまで首位につけていたシュテファン・クラフト(オーストリア)が197m(184.8ポイント)と伸びず、再びヴェリンガーが首位につくことになったからだ。この一騎打ちには最後まで目が離せない。
ヴェリンガーは、「完璧なジャンプではなかった。高さが出せなかったトライアルとは全然違う感じだった。予選のジャンプではもっと高さを得ることができた。最初は少し向かい風でその後は風が無くなった感覚だった。そういう時はうまく収めるのにかなり苦労する。総合成績は、たとえ30点、40点差があったとしても、ここでの最後のジャンプまでどうなるか分からない。まずは、きちんとしたスキージャンプをして、最終的にどういう結果が出るか見てみるだけ」と話した。
今日の予選の3位には、スロベニアのドーメン・プレウツが220.5m、207.6ポイントで入った。その後には、オーストリアのミヒャエル・ハイボック(213.5m、202.9ポイント)が4位、ドイツのマルクス・アイゼンビッヒラー(213.5m、200.6ポイント)が5位に続いた。アイゼンビッヒラーは、これで総合3位の座を更に確固なものとした。
現在44歳の葛西紀明は、1992年には既にスキーフライング世界王者となったが、今日は214.5mのジャンプを出して6位に入り、この巨大なフライングヒルでまだまだ活躍してくれることを証明した。
7位のマチェイ・コット(ポーランド)の後には、スキーフライングを得意とするスロベニアの二人、ユーリ・テペシュとペーター・プレウツが8位と9位に続いた。
前日に行なわれたトロンハイムでのホームゲームで2位になったアンダース・スティエルネン(ノルウェー)は、今回は12位で、RAW AIRの表彰台を巡る闘いで少し遅れをとった。同じことが言えるのはチームメイトのヨハン=アンドレ・フォアファングで、彼も今日は17位にとどまった。それに対し、納得のできを見せたのはノルウェーの若手、ハルヴォア=エグナー・グラネルドで、210mのジャンプを決めて、健闘の15位になった。
ケヴィン・ビックナーとマイケル・グレスダーのアメリカ勢二人と、イタリアのアレックス・インサム、そしてオーストリアチームからアンドレアス・コフラーの代わりに起用されたシュテファン・フーバーも、19日(日)に行なわれるRAW AIRファイナルへの参戦を決めた。
かなりの僅差で日曜の個人戦への出場を逃したのは、カナダのマッケンジー・ボイド=クローズとスイスのグレゴア・デシュヴァンデンだった。この二人は共に40位で最終的に0.5点足らず予選敗退となった。他に、シュテファン・ライエ(独)、竹内択、ヤン・ジョブロ(ポーランド)、トム・ヒルデ(ノルウェー)等も本戦進出を逃した。
ノルウェーツアー「RAW AIR」は、18日(土)の団体戦と19日(日)の個人戦を残すばかりとなったが、今の時点でアンドレアス・ヴェリンガーが1,445.9ポイントで総合首位についている。2位はシュテファン・クラフト(1,421.9ポイント)、3位がマルクス・アイゼンビッヒラー(1,406.8ポイント)となっている。その後にアンダース・スティエルネン、カミル・シュトッホ、ペーター・プレウツが迫っている。
ワールドカップ・ヴィケルスン大会の団体戦は、18日(土)16:15(日本時間 翌0:15)から開催される予定だ。
そして19日(日)14:15(日本時間22:15)からは、スキーフライング個人戦が予定されている。
※注)基本的な表記時間は中央ヨーロッパ時間で、日本からの時差はマイナス8時間です。