接戦の札幌第1戦 クラフトV、小林陵侑2位
2試合が予定されているワールドカップ男子札幌大会(北海道)で、2月17日(土)に第1戦が開催され、オーストリアのシュテファン・クラフトが優勝した。
開催国日本の小林陵侑が僅差で2位、ドイツのアンドレアス・ヴェリンガーが3位に続いた。
かなりの接戦で、クラフトと小林陵侑との差はわずか0.4点の僅差となり、最終的には飛型点がものを言った。クラフトのジャンプでは5人の審判が19.5ポイントを出し、小林陵侑のジャンプでは5人が19.0ポイントをつけた。
クラフトは263ポイント、小林陵侑は262.6ポイントをマークした。3位のアンドレアス・ヴェリンガーとクラフトとの差は6.1ポイントだった。
ワールドカップ(W杯)総合首位の座を更に強固なものにしたクラフトは、勝利後のインタビューで、「今日はスゴくうまくいった。本当にものすごい接戦だった。1本目はちょっと守りに入ってしまったから、勝ちたいんだったら2本目は全力で攻撃に出ないとダメだと思った。そして2本目ではそれがうまくいった。会場は素晴らしい盛り上がりだった。多分(葛西)紀明が飛ぶのを見に来た人が多かったんだと思う」 と説明し、「本来僕はW杯総合得点は気にしないんだけど、僕に続く二人( 小林陵侑とアンドレアス・ヴェリンガー)が今日もかなり迫っていたからちょこちょこ見るようにはしている」と話した。
クラフトにとってW杯通算39勝目、今季の9勝目となった。
W杯総合ランキングで、現在クラフトが計1,336点で首位、小林陵侑が1,101点で2位、3位には1,087点のアンドレアス・ヴェリンガーが続いている。
アンドレアス・ヴェリンガーは、「最初は向かい風が吹いていて、その後はちょっと変わりやすい風だったけど、それはもう付きものだから仕方がない。試合はとても高いレベルだったし、自分のジャンプにもとても満足している。昨日から今日を比べるとかなり改善できたと思うから、明日の試合では今日の成果をうまくつなげられるようにしたい」と、話した。
オーストリアチームは優勝したクラフト以外にも、4位から6位にマヌエル・フェットナー、ダニエル・チョフェーニック、ヤン・ホアルが続いて、圧倒的な団体成績を収めた。
ノルウェーチームのトップだったのは7位につけたクリストファー=エリクセン・スンダルだった。
ポーランド勢のトップはダヴィド・クバツキで8位だった。
チェコのローマン・コウデルカは15位で好成績となり、アメリカのエリック・ベルショーは26位に入った。
葛西紀明が本戦進出を果たしたため、多くの観客がジャンプ会場に集まった。
葛西は1本目で28位となり、上位30人による2回目への出場も果たした。しかし51歳の葛西は、2本目ではベストジャンプが決まらず30位に甘んじた。それにしても圧倒的な成績だ。
観客もベテラン葛西自身も、そのパフォーマンスと最年長記録となったW杯ファイナルラウンド進出に大喜びだった。
日本チームからは、他に小林潤志郎が10位でトップテン入りを果たし、二階堂蓮が24位に入った。佐藤慧一が35位、中村直幹が44位、小林朔太郎が46位、坂野旭飛が49位だった。
W杯札幌大会の第2戦は、2月18日(日)03:00(日本時間11:00)から開催される予定だ。
※注)基本的な表記時間は中央欧州時間で、日本からの時差は-8時間です。