ノルディックスキー世界選手権:注目データ
オーストリアのインスブルックとゼーフェルトで開催される2019年ノルディックスキー世界選手権では、史上最多となる6種目のスキージャンプ競技が開催される予定だ。まず最初の週にはインスブルックのベルクイーゼルで、2月23日(土)に男子個人戦が、そして24日(日)には男子団体戦が行われる。
そして2週目には、ゼーフェルトにて、ヒルサイズ109mのトニー・ゼーロス・オリンピックジャンプ台で4試合が開催されることになる。2月26日(火)に女子団体戦、27日(水)に女子個人戦、3月1日(金)には男子ノーマルヒル個人戦、そして3月2日(土)には最後の種目、男女混合団体戦が行われる。
ゼーフェルト大会:注目データ
チロル州ゼーフェルトでノルディックスキー世界選手権が開催されるのは、1985年以来2度目のこととなる。
1985年世界選手権の際は、スキージャンプの種目はラージヒル戦、ノーマルヒル戦、そして団体戦の3種類だった。
ラージヒル戦ではノルウェーのペール・ベルゲルード、ノーマルヒル戦はドイツのイェンス・ヴァイスフロック、団体戦ではフィンランドが金メダルを獲得した。
30年ぶりの開催国として金メダルを狙いたいオーストリア
前回、自国開催の世界選手権でスキージャンプの金メダルを獲得したのは、1989年のフィンランド・ラハティ大会の時に個人戦でヤリ・プイッコネンが、そして団体戦でフィンランドチームが金メダルに輝いた時にまでさかのぼらなくてはならない。
一度だけオーストリアは自国の観客を前にスキージャンプの世界選手権金メダルを獲得したことがある。1976年にカール・シュナーブルがインスブルック大会で男子ラージヒル戦で優勝した時で、この五輪の金メダルが同時に世界選手権金メダルとして数えられる。
日本は今世紀初の個人戦金を待望
1999年に船木和喜がオーストリア・ラムサウ大会で金メダルを獲得して以来、日本のスキージャンパーが、世界選手権の個人戦で金メダルを獲ったことはまだない。
1999年の船木の勝利以来、日本人選手は個人戦で6個のメダルを獲得している(金0個、銀3個、銅3個)が、個人戦で優勝した 選手はまだいない。
2013年の世界選手権では、日本チームがノーマルヒル男女混合団体戦で金メダルを獲った。
インスブルック・ラージヒル戦(2019年2月23日、土):注目データ
1999年には船木和喜がノーマルヒル戦で金を獲ったが、最近でラージヒル戦の金を獲った日本人は原田雅彦である。
原田は1997年のノルウェー・トロンハイム大会で金メダルを獲得した。
小林陵侑は先月、スキージャンプ週間完を全制覇した時の1試合としてインスブルック・ベルクイーゼル戦で優勝した。22歳の小林が、もう1勝することができれば原田に追いつくことになる。
世界選手権王者のタイトルを防衛したいクラフト
オーストリアのシュテファン・クラフトは、前回の世界選手権ラージヒル戦で金メダルを獲った。
クラフトは、オーストリア人としては初めてラージヒル個人戦で金メダルを複数回獲得する選手となれるかもしれない。
これまでに世界選手権でラージヒル個人戦金メダルを一つとっているオーストリア人は他にカール・シュナーブル(1976年、五輪金=世界選手権金メダル)、アンドレアス・フェルダー(1987年)、そしてグレゴア・シュリレンツァウアー(2011年)の3人だ。
世界選手権でのスランプから抜け出したいノルウェー
ノルウェーは世界選手権男子ラージヒル戦で通算20個の金メダルを獲っている。
2位のフィンランド(金8個)に12個もの差をつけている。
しかし最近の世界選手権11試合でノルウェーのスキージャンパーが金メダルを獲ったことはない。
最近ノルウェーの選手が世界選手権男子ラージヒル戦で金メダルを獲ったのは、1995年にカナダ・サンダーベイ大会で当時17歳だったトミー・インゲブリクトセンが優勝した時となっている。