ソチ五輪 ノーマルヒルでカミル・シュトッホが金メダル獲得

作成: 09.02.2014 23:11 / cy

カミル・シュトッホ(ポーランド)がノーマルヒルのオリンピック勝者となった。ソチ冬季オリンピックにおけるスキージャンプの最初の決戦で、シュトッホが ペーター・プレフツ(スロベニア)とアンダース・バルダル(ノルウェー)を抑え、1972年のヴォイチェフ・フォルトゥナ以来、冬季五輪でポーランドに2つ目の金メダルをもたらした。

これは現実か?
「これは本当に起こったことなのか?本当のこととは思えない。ファイナルは素晴らしいジャンプだった。勝てたかどうかは分からなかったけれど、好成績になるってことは分かった。チームメイト達の肩に担がれて勝利を祝ったのは最高の気分だった」と、オリンピック金を飾ったシュトッホは喜びを語った。ポーランドのコーチ、ルーカス・クルチェクはポーランドTVの取材を受けて「カミルは今日、競争相手を打ち負かした。とても言葉で表せない。今日の朝、カミルの病気だという知らせを受けてから、彼をスタート地点に立てるようにするだけで大仕事だった」と語った。
2013年に世界チャンピオンの座をものしたシュトッホは、ファーストラウンドからこの最大の勝利の基盤を固めていた。今日の最長飛距離105.5mを出し、6ポイント以上の差をつけてファイナルに臨んだ。その後ろには、バルダルとプレフツが陣取っていた。バルダルは101.5m、プレフツは更に1m伸ばしたものの1点差で3位だった。

 

 

プレフツがバルダルを抑え銀

ファイナルではプレフツが反撃に出た。99.0mでバルダルより0.5m伸ばし、1.2ポイント差で堂々の銀メダル獲得となった。「とにかくこの瞬間を満喫している。自分がどんな気持ちなのかも良く分からない。幸せ感はだんだん現実味を増してくる」と、スロベニア史上初の銀メダルを勝ち取ったプレフツは語った。

ファイナルのシュトッホも103.5mと他を圧倒し、最終的に278.0ポイントでプレフツに12.7点もの差をつけた。「カミルは、まず1回目で思い切りやって、ファイナルでは少しリラックスして臨む、という我々の計画を正確にやってのけた。」とクルチェウは続ける。シュトッホのチームメイトで最終的に13位についたヤン・ジョブロは、「カミルは僕の大親友。僕が彼にかけた最初の言葉は放送禁止。僕のルームメイトは世界一!」と大興奮で語った。

銅メダル獲得となったアンダース・バルダルも「本当にいい気分。メダルに届いたか確信が持てなかったけれど、多分他の選手もあんまり飛距離を出せなかったんだと思う」と喜びを語った。バルダルは、ノーマルヒルとラージヒルでオリンピックメダルを獲得した5人目のノルウェー選手となった。バルダルは2010 年にウィスラーでラージヒルの銅メダルを取っている。

 

 

オーストリア勢はメダル獲得ならず
オー ストリア・チームは、予想を裏切り一つもメダルが取れなかった。今季ジャンプ週間の覇者、トーマス・ディートハルトは99mと98mで好成績を出したが、 258.3ポイントで4位で終わってしまった。そのわずか0.3ポイント差で、チームメイトのミヒャエル・ハイボックが5位についた。101.0mと 98.5mのジャンプでは、狙っていたメダルには届かなかった。金メダルを目標にしていたグレゴア・シュリレンツァウアーは253.3ポイントで11位に甘んじなくてはだった。

モルゲン・シュテルンにもメダルは来なかった。それでも、クルムでの転倒と頭部損傷から数週間しか経っていないモルゲンシュテルンにとっては14位でも喜ばしいことだ。「最上の結果ではなかったけれど、ここのジャンプでのポジティブな気持ちを次に持ち越したい。ここに居られることが本当に嬉しいし、素晴らしい!」

ドイツ・チームも、メダル獲得の願いは(今のところ)成就されなかった。ファーストラウンドで、アンドレアス・ ヴァンクが101mの良いジャンプで長く首位に立っていた。表彰台も手に届きそうな6位としてファイナルに進んだものの、2回目のジャンプは97mと伸びず、最終的に253.4ポイントで、それでも大健闘の10位だった。逆だったのはアンドレアス・ヴェリンガーで、1回目では14位だったのが、ファイナルで追い込みをかけ、257.1ポイントで6位に入賞した。

 

転倒後チャンスを失ったフロインド
セヴェリン・フロインドにとっては不幸中の幸いだった。公式トレーニングで好調だった彼はメダル有力候補にも入っていたが、1回目で転倒してしまった。「自分が願っていた展開とは全然違くて悲しい。この転倒は全く自分のミス。それでも、まだまだ好調だし、次のラージヒルに集中して臨む。」とフロインドは語った。

7位のマチェイ・コット(ポーランド、255.8ポイント)、12位のアンシ・コイブランタ(フィンランド)、16位のロマン・コウデルカ(チェコ)は予想以上の健闘だった。

 


史上最多出場の葛西
葛西紀明はコットに0.6ポイント差で8位、イェルネイ・ダムヤン(スロベニア)は9位と、まずまずのオリンピック開幕戦となった。葛西はロシアのリュージュ選手アリベルト・デムチェンコと共に冬季五輪史上最多の7回出場の記録を立てた。
スイスのシモン・アマンも打ち負かされた一人だ。アマンは2002年と2010年のオリンピックで金メダルW受賞を果たしたが、今回は17位に終わってしまった。大きな期待を背負ってソチに参加した日本勢も、清水礼留飛が18位、渡瀬雄太が21位、竹内択が24位と、思った程はふるわなかった。

 


しばしの夢をみたマクシーモチキン
ロシアのミハイル・マクシーモチキンはファーストラウンドでしばしの夢をみることができた。1回目でマクシーモチキンが出した104mのジャンプでルスキエ・ゴルキに集まったロシアのファンは沸きに沸いたが、ファイナルでは90.5mで最終的には30位でがっかりな結果で終わった。

 

男子ノーマルヒル:結果(PDF)