ソチ五輪スキージャンプ概要
ソチ冬季オリンピック、スキージャンプ概要
メダルをかけた試合:4回
男子試合:3回
女子試合:1回(オリンピック正式種目として初めての試合)
スケジュール:
女子:
2月11日(火)個人戦、ノーマルヒル(HS106)
男子:
2月 9日(日)個人戦、ノーマルヒル(HS106)
2月15日(土)個人戦、ラージヒル(HS140)
2月17日(月)団体戦、ラージヒル(HS140)
施設
クラースナヤ ポリャーナ(ソチから約50km)に2009~2012年建造
ルスキエ・ゴルキ(RusSki Gorki)スキージャンピングセンター
標高610m
何が起こるか分からないオリンピック
スキージャンプでのメダル候補者の傾向は、女子と男子ではまったく違っている:
女子では、一人絶対的なメダル候補がいる。日本の高梨沙羅だ。高梨は、今冬これまでに行われたワールドカップ全13試合のうち、驚きの10勝をとげている。それに加えて、イタリアで行われたジュニア世界選手権で2冠も達成している。冬季オリンピックイヤーの今季、高梨は女子スキージャンプの指標となっている。17歳の高梨より更に良く飛べる者のみが金メダルを勝ち取ることができるが、それは生半可なことではない。しいて言えば、オーストリアのダニエラ・イラシュコ=シュトルツに一番可能性があるかもしれない。今冬のW杯で優勝しているドイツのカリーナ・フォクトとロシアのイリーナ・アワクモワにもチャンスはある。そして、ヴァルディフィエンメで世界チャンピオンになったサラ・ヘンドリクソン(米)も参戦する予定だ。ヘンドリクソンにとっては、怪我での長期欠場後初めての試合になる。彼女が今、他のライバルと比べて、どのぐらいのレベルで飛べるのか、誰にも分からないのだ。
突出したメダル候補のいない男子
それに対して、男子はノーマルヒルとラージヒルで少なくても10人は優勝候補がいる。オリンピック前の試合で強さを見せたポーランドのカミル・シュトッホ、スロベニアのペーター・プレフツ、そして二人のオーストリア選手、グレゴア・シュリレンツァウアーとトーマス・モルゲンシュテルが挙げられる。モルゲンシュテルンは、スキーフライング・バートミッテンドルフ大会での転倒で大怪我を負ったものの、オリンピックに間に合い復帰する。それに、41歳という年齢にもかかわらず、と言うより、むしろその年齢を生かして素晴らしく好調な日本の葛西紀明もいる。ドイツのセヴェリン・フロインドとアンドレアス・ヴェリンガーも上位を狙っている。ノルウェーのアンダース・バルダルはルスキエ・ゴルキのジャンプ台が相性に合っているようで、有力候補に入っている。もちろん、オリンピック4冠のスイス人、シモン・アマンもいる。アマンはこの冬100%の出来ではないものの、オリンピックとなったらいつでも名前が出てくる選手だ。それに加えて、あと10人はオリンピックでメダルを現実的に狙える選手がいるのだから、絶対におもしろくなるはずだ。専門家でもこれ以上のことは予想できそうに無く、更なるメダル候補の分析は、公式トレーニングと予選を待って出てくるだろう。
男子団体戦では、スロベニア・チームが最有力候補となっている。ここ数週間の試合で、スロベニア勢はかなりの好調さを見せてきた。それに対抗するのは、ポーランド、ドイツ、オーストリアだ。それに加え、今冬これまでの成績から見るとあまり脈は無いもののノルウェーと、日本チームも強豪だ。その他のチームは本命外となっている。
トップ成績を出しているとは言わないまでも、ドイツとギリシャのハーフ、ニコ・ポリクロニディスがギリシャ・チームとして参戦することになり、メディアの興味は大きくかき立てられる。と言うのも、ドイツ人の母を持つポリクロニディスは2012/2013年のシーズンからギリシャ人として参戦することになったからだ。ポリクロニディス(24歳)は、スキージャンプをドイツのオーバースドルフで学び、国籍を変える前はドイツ・チームからFISの様々な試合に参戦していた。ギリシャ人となった今、オリンピック・スキージャンプでスタート地点に立つ初めてギリシャ人となる。ギリシャにはそもそもスキージャンプ台がないのだ。