エマ・クリネッチ初優勝!
ドイツ混合チームのミックスチーム戦初優勝といい、クーシュベル大会では「初物」が続いた。スロベニアのエマ・クリネッチはグランプリ女子個人戦初出場で初優勝を飾った。
7月に15歳になりW杯への参加資格を得たばかりのクリネッチはファーストラウンド94mを飛び、すでにトップに躍り出た。この若い選手は初出場にも関わらず冷静さをキープして、ファイナルでは更に飛距離をのばし94mのジャンプを披露し、アメリカのサラ・ヘンドリクソンに1.9ポイント差で優勝を決めた。日本の伊藤有希はこの日の最長飛距離の99mをマークし3位に入賞した。
『勝てたことが本当に嬉しい。トレーニングのジャンプをレベル的に高かったので勝てるジャンプが出来ることを期待していた。そのチャンスは決して大きくはなかったがやってのけることが出来たので、今ここでこの気持ちをどう表現すれば良いのか分からない。女子のW杯が導入されてからこの瞬間を2年間待ち続けていた。W杯に参戦していた選手たちと一緒に飛んでいたので自分のレベルはある程度分かっていたが、それでも私の知らないジャンパーも多かった。ルール(出場年齢資格)により参加出来ることになり本当に嬉しい。ここのジャンプ台は他とは全く違っているが、好きなジャンプ台。』とクリネッチは大会後に話した。
「昨日のジャンプが良くなかったので少し焦っていたが、時差ぼけのせいもあると自分で分かっていたので、よく寝て、身体を休めた。誰もが調子の悪い日があると思う。今日は良いジャンプが出来て嬉しい。風の影響は常にあり、本当の公平な競技というのは難しいが、技術的にはとても満足してる。」とヘンドリクソンはコメントした。
伊藤有希も今日の結果に満足で、「1本目はテイクオフで遅れたのであまり良くなかった。ファイナルの前にはとても緊張していたのでいいジャンプをすることに集中して落ち着くように努力した。2本目は条件も良かったことで助けられ、また良いジャンプもできた。チームにみんなが祝福してくれたことがとても嬉しかった。」と語った。
調子が右上がりのウルリケ・グレッスラー(ドイツ)は僅差で表彰台を逃し、4位。カリーナ・フォクトが7位、カタリナ・アルトハウスが8位とドイツはチーム的に良い結果を出した。
表彰台が期待された地元のホープ、コリーヌ・マテルはファーストラウンドで良いパフォーマンスを見せたが、最終的には9位に順位を落とし、ミックスチーム戦での結果を繰り返すことは叶わなかった。
現状では地元のソチオリンピックで唯一メダルを狙えるだろうロシア選手として名が挙がるのは、イリナ・アヴァクモヴァ。彼女は10位で今後の可能性を印象づけた。
トップ11に7カ国の選手が入ったグランプリ女子クーシュベル大会。次のグランプリは約一ヶ月後にロシアのニジニ・タギルで開催されるが、そこでもハイレベルな戦いになることは間違いないだろう。