王冠の行方は?
正直なところ国別ランキング1位の王冠が9回目もオーストリアチームに輝く可能性は非常に高い。グレゴア・シュリーレンツァウアー、トーマス・モルゲンシュテルン、アンディ・コフラー、マルティン・コッホといったスターたちは今シーズンも素晴らしい活躍を見せている。が、しかしW杯3週末を終えて、8年来初めてその黄金伝説に危機が迫っている。
そして正直なところ、誰もが、いやオーストリアチーム自体も待ちかねていた感がある。ジャンプ週間でも本当の意味での決闘を見ることは長い間なかった。長きにわたりオーストリアチームはドイツ選手へ同情の微笑みを投げかけ、合間に見せるいくつかの好成績に健闘を称えたることしかできなかった。悪い意味ではなく、能力の差が明らかに大きかったのである。
22開催地中、3大会が終わった今季国別ランキングでトップにいるドイツチームであるが、素晴らしい強さを見せている。1450ポイントで(2位オーストリアが1289ポイント、3位ノルウェーが1123ポイント、4位日本が669ポイント) - ネーションズカップ ランキング » - ウェルナー・シュスターのこのチームはリードしている。当然、リラハンメル大会の団体戦でオーストリアチームが失格により得点していないことは考慮しなければならないだろう。
新しいチームスピリット
このドイツチームの強さに秘訣は、セヴェリン・フロインド、リヒャルド・フライタク、若手のアンドレアス・ウェリンガーに隠されているが、またこの3名だけの名前を挙げることでその強さの理由にするのはこれまた間違いである。アンドレアス・ヴァンク、ミヒャエル・ノイマイアー、そして若手のカール・ガイガーやダニー・クエックという選手がいることも忘れてはならない。このチーム的な強さはチーム全体でのレベルアップである。
「最初に結果を私が出し、今回のように自分がトップに入れなくても私たちの他のメンバーが上位にいる。そういうチームの状態が自分たちを更に強くしてくれる。」とソチの2戦目の後、W杯リーダーであるセヴェリン・フロインドは話した。これこそが今までのアレックス・ポイントナー率いるオーストリアチームが成功を独占して来た理由なのである。
シュスター:「オーストリアチームとの差を縮める」
「オーストリアとの差を縮め、僅差でネーションズカップ2位になること。」とシーズン最初にドイツスキー連盟のヘッドコーチであるウェルナー・シュスターは目標を話した。その目標は実現可能になってきているが、まだまだシーズンは長い。オーストリアとの高いレベルでの戦いを仕掛けられることはこの冬のジャンプがより楽しみになる。
第61回ジャンプ週間が開催地のドイツとオーストリアのためだけのジャンプ週間ではなく、ノルウェー、スイス、日本、ポーランド、スロベニア、ロシアといったチームからも優勝者を排出する可能性もある。