ザコパネを沸かせたシュトッホ
ワールドカップ(W杯)ポーランド・ザコパネ大会個人戦でカミル・シュトッホ(ポーランド)が優勝を飾った。ソチ五輪金メダル2冠のシュトッホは、134.0mと133.0mのジャンプで合計276.2ポイントを獲得して、彼にとって今シーズン初の優勝を決めた。2位は今季ジャンプ週間の覇者、シュテファン・クラフト(オーストリア)、3位はセヴェリン・フロインド(独)だった。
シュトッホは、「ここザコパネのファンの皆様に感謝したい。今日このお客さん達の前で、ポーランド国歌を歌えたらいいと夢にまで見ていた。今回の優勝で、今シーズンの最初の目標は達成したことになる。とてもフェアな試合で、自分のジャンプでも100%のパフォーマンスを見せることができた。W杯個人総合成績でトップを狙っていく野心は持っていない。それはかなり難しいこと。でも、まだ今シーズンは終わったわけでは無いし、これからでも色々な可能性がある。僕にこれ以上失うものは無いし、日本の試合にも参戦する予定。試合に出ることが今の僕にとって最高のトレーニングになるから、これからは一試合も欠場したくない。世界選手権に向けて最善の状態に持っていくまでに、チームにはまだ一ヶ月の時間が残されている。チームの皆が上手く飛べている。でも、そのことを皆が信じなくてはいけない。僕は、世界選手権がチーム全体にとって好成績になると信じている。」と意気込みを見せた。
クラフト:「信じられないぐらい素晴らしい試合」
シュテファン・クラフトは、前日(1/17)に行われた団体戦の時よりは調子を戻し、133.0mと133.5mで計273.9ポイントだった。
クラフトは、「信じられないぐらい素晴らしい試合だった。ほとんど風も無くて、全ての選手が同じ条件で飛ぶことができた。最終的に今日は一番強い人が勝った。優勝したカミルにおめでとうと言いたい。ホームゲームで優勝できるのは本当に特別なことだしね。僕は今日、2本とも良いジャンプを見せることができて、この結果に満足している。」と話した。
スキーフライング選手権の王者、セヴェリン・フロインドは引き続き好調で、131.0mと133.0mのジャンプで、計267.1ポイントをマークし、4位のペーター・プレウツ(スロベニア)に2.3ポイントの差をつけた。
フロインドは、「今日のザコパネ戦はとても良い試合だった。みんな、かなり高いレベルで飛んでいた。簡単では無かったから、3位になれて満足以上のものを感じている。」と試合を振り返った。
4位のペーター・プレウツは、132.0mと130.5mのジャンプを記録した。ミヒャエル・ハイボック(オーストリア)は、131.5mと132.0mで260.6ポイントとなり5位だった。
どんどん強くなるテペシュ
6位は256.3ポイントだったアンダース・ファンネメル(ノルウェー)、その後に10.7点の大きな差をおいて7位にユーリ・テペシュ(スロベニア)が入った。ロマン・コウデルカ(チェコ)は計244.1ポイントで8位、葛西紀明は242.2ポイントで9位、その2.4点差でイェルネイ・ダムヤン(スロベニア)が10位に入賞した。
今週末、これまで絶好調だったリヒャルト・フライターク(独)は、アンダース・ヤコブセン(ノルウェー)と竹内択に続く13位だった。同じくドイツのマルクス・アイゼンビッヒラーは14位だった。
上昇中のヒルデ
グレゴア・シュリレンツァウアー(オーストリア)は、これまでにザコパネで5勝しているが、今回は15位で終わってしまった。
引き続き上昇傾向のトム・ヒルデ(ノルウェー)は16位だった。
ヴラディスラヴ・ボヤリンチェフとイルミア・ハゼトディノフは、23位と28位でロシアチームにW杯ポイントを加算した。
トーマス・ディートハルトが不在の中、マヌエル・フェットナーは29位で、オーストリアチームに、それ程良い所は見せられなかった。
クラフトが引き続きW杯総合首位
W杯個人総合成績では、首位のシュテファン・クラフトが現在877ポイントで、2位のミヒャエル・ハイボック(799ポイント)との差をまた広げた。3位のペーター・プレウツは764ポイントで、4位に続くセヴェリン・フロインドは、そのわずか11ポイント差と迫ってきた。今日の勝者、カミル・シュトッホは234ポイントで16位に浮上してきた。
次のW杯男子の試合は、来週末(1/24~25)に日本の札幌で行われる予定となっている。
その後は、ヴィリンゲン大会(独)、ティティゼー=ノイシュタット大会(独)、ヴィケルスン(ノルウェー)のフライングヒル戦を経て、約1ヶ月後にノルディックスキー世界選手権がファールン(スウェーデン)で行われる予定だ。